台風11号による明け方の強い雨と風の音を聞きながら、乃南アサの小説@涙のクライマックスシーン、主人公萄子の婚約者奥田が宮古島台風の中、何故結婚間近の萄子を残して失踪しなければいけなかったのかを打ち明けるシーンを思い出した。
東京オリンピックに沸く東京を皮切りに、失踪した奥田を追い駆け日本全国を廻る
萄子。しかしそんな中でも萄子は最後までお嬢様然としたままだ。そして逃げる奥田にも、どうしてもう駄目だと思ったのか、何故誰にも助けを求めようとしなかったのかと釈然としないものをずっと感じてしまった。
奥田が何も萄子に告げずに去っていったのは、萄子を守ろうという気持ちとともに、彼女にはどこか世の中の理不尽なことを理解できない、そんな大人になりきれないところがあることを無意識のうちに判っていたのではないか。
正義感が強かったあまり理不尽な罠に落ちていく元刑事の男と、彼を理解しようと彼を探し回る女。
自分ではどうすることも出来ない力の前に、人生が変わってしまう二人を呆然と眺めながらも、しっくりしな気持ちが残ったのは主人公萄子が最後まで幼い雰囲気を残した態度だったせいだろうか。
これをドラマでやるとしたら誰が適役か考えてみたが、主人公萄子にはキム・ハヌルなどいいのではないかと思う。先日見終わった@ガラスの華の印象が強いせいかもしれないが、どこか他人を許そうとしない、冷たい印象を残す主人公萄子にぴったりのような気がする。
東京オリンピックの頃を舞台にしたこの小説は、日本では映像化することが難しいだろう。大胆に脚色して、韓国中を旅するメロドラマにしたら面白いような気がするが無責任な意見だろうか。
東京オリンピックに沸く東京を皮切りに、失踪した奥田を追い駆け日本全国を廻る
萄子。しかしそんな中でも萄子は最後までお嬢様然としたままだ。そして逃げる奥田にも、どうしてもう駄目だと思ったのか、何故誰にも助けを求めようとしなかったのかと釈然としないものをずっと感じてしまった。
奥田が何も萄子に告げずに去っていったのは、萄子を守ろうという気持ちとともに、彼女にはどこか世の中の理不尽なことを理解できない、そんな大人になりきれないところがあることを無意識のうちに判っていたのではないか。
正義感が強かったあまり理不尽な罠に落ちていく元刑事の男と、彼を理解しようと彼を探し回る女。
自分ではどうすることも出来ない力の前に、人生が変わってしまう二人を呆然と眺めながらも、しっくりしな気持ちが残ったのは主人公萄子が最後まで幼い雰囲気を残した態度だったせいだろうか。
これをドラマでやるとしたら誰が適役か考えてみたが、主人公萄子にはキム・ハヌルなどいいのではないかと思う。先日見終わった@ガラスの華の印象が強いせいかもしれないが、どこか他人を許そうとしない、冷たい印象を残す主人公萄子にぴったりのような気がする。
東京オリンピックの頃を舞台にしたこの小説は、日本では映像化することが難しいだろう。大胆に脚色して、韓国中を旅するメロドラマにしたら面白いような気がするが無責任な意見だろうか。
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