私の映画玉手箱(番外編)なんということは無い日常日記

なんということは無い日常の備忘録とあわせ、好きな映画、韓国ドラマ、そして
ソン・スンホンの事等を暢気に書いていく予定。

「未納が増えると年金が破綻する」って誰が言った? ~世界一わかりやすい経済の本~

2009-06-15 21:14:21 | たまに読んだ本
年金が破綻しないとは私には言い切れないが、この本に書いてあるように「国民年金の納付率60パーセントがイコール10人に4人が国民年金の保険料を払っていないということではない」ということはもっと正確に伝えるべきことだと思う。

年金制度に加入している人は直接国民年金を支払う人ばかりでない。この本によると、年金制度全体で考えると、国民年金の未納者は全体の5%にも満たないという。しかし著者の言うようにニュースになる時点では「未納が40%」ということばかり取り上げられて、見ている方には「だから破綻」ということしか伝わらないようになっているのだ。
更にサラリーマンとして保険料を天引きされている者には、破綻するような制度なら保険料を払いたくないのに・・・サラリーマンにはその選択権もない。という不満をあおるようなニュースの伝え方になっているのだ。

その証拠に国民年金の納付率の話がニュースで取り上げられるたびに「僕、保険料を払いたくないんですけれど・・・」という小さい不満を言ってくる人がいる。
「サラリーマンに選択権はないんです。」といっても納得してくれない人には、条文まで引き合いに出して説明したこともある。
皆関心はあるのだけれど、ニュースで取り上げられる部分は非常に一部であるので、知識がどうしても偏ったものになってしまう。偏った知識をもとに「不公平な制度だ」と思ってしまったときの不幸は計り知れない。そういう状態では不満と不安は絶対解消されないと思う。

現役世代が引退後の両親たちに直接仕送りするのでなく、年金という制度を通して現役世代が仕送りするという制度は理にかなった制度だと思う。
今から年金のない時代に逆戻りすることは出来ないし・・・・
こういうときにこそ、直接携わっているところの人が声を上げて説明すべきなのだろうが、その人たちの仕事への姿勢が問われているので、何を言っても説得力がないのは非常に不幸なことだ。

制度は常に見直しが必要なものだが、見直せば使えるものだと思う。
今は制度を運用している人の姿勢が悪い=制度が悪いという風になってしまっているのが一番の不幸のような気がする。
***
仕事柄社会保険事務所に電話をする機会があるのだが、最近は電話応対が劇的によくなった。しかし良くなったといっても、その程度は普通の民間企業なら従前からやっていたものと同程度。
書類の対応なども従前よりはよくなったと思う。しかし残念なことに、何かお願いしても「その書類は必ず私○○あてにお送りください」という言葉とセットだ。
つまりその人宛に送らないと、処理はしてもらえないということ。
集団としての信頼感はその集団の中でも揺らいでいるということか・・・・




「未納が増えると年金が破綻する」って誰が言った? ~世界一わかりやすい経済の本~ (扶桑社新書)
細野 真宏
扶桑社

このアイテムの詳細を見る