私の映画玉手箱(番外編)なんということは無い日常日記

なんということは無い日常の備忘録とあわせ、好きな映画、韓国ドラマ、そして
ソン・スンホンの事等を暢気に書いていく予定。

実務の現場からみた労働行政

2009-06-30 22:13:23 | 日の目を見ない会社員のブログ
最低賃金改定の論議が今日スタートとのこと。

ただ、金融危機と不景気のダブルパンチ。
賃金を引き上げれば、雇用調整につながる?
賃金が減少していることを考えると最低賃金の引き上げはKY?
労働分配率はもう一杯一杯なので、雇用維持優先。
などなど、状況は厳しいらしい。

そんな中、最近時々話題にあがるのは残業代の未払いや、サービス残業に対する是正勧告。
「正しく割増賃金を支払ってください」ということを労働基準監督官が指摘するのだが、それが本当に正しいものなのか?等というのを実務の面から捉えた本。

最低賃金さえも守られないところに是正が入るのは正しいことだ。
賃金は支払われないということは、生存権さえも守れない状況だということ。
そういうときに労働基準監督署の署という文字が表す通りの権限が使われるのは正しいことだと思う。
ただ、是正が入る企業は、そんな最低賃金を守っていない企業ではない。
それはなぜか?最低賃金が上がったら営業的に死活問題のところに入っても是正などできるわけがないからだ。

マクドナルドのみなし管理職問題を、「これは割増賃金の問題でなく、健康管理の面から捉えるべき」とお金の問題を切り離して考えているところ、更に守るべき法律の考え方、
法律の解釈の仕方は?そんな面からサービス残業等について語っているこの本は非常に面白かった。

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私自身は仕事に直結する話題。実務面に生かせそうな話が沢山あり、非常に参考になった。
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著者は未払い残業に関する是正の方法について、ひとことあるようだったが、最近はこの未払い残業の問題がIPO審査の際に非常に注目されているのだ。
「法律も守れない会社に上場する資格なし」というように一つの基準として使われている様子。
この本では是正勧告の弊害について語られていたが、その弊害沢山の是正勧告が形を変えて、別のところで一つの指標として使われているのだ。
世の中は繋がっているんだなと変なところで実感。


実務の現場からみた労働行政
石嵜 信憲
中央経済社

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