剣の代わりに算盤で生活を支える武士の一家 猪山家。
そのまっすぐさ故に一度左遷されるも、結局その実直さ故に昇進。
昇進すればそれなりの生活をしなければならない。
そうやって膨らんでいった借金の数々。
よく考えれば、江戸の時代から出納という仕事があったのは当然なのだが、なかなか武士と会計という仕事は結びつかない。
がそんなことは観始めて5分も経てばちっとも気にならなくなる。
毎日を実直に過ごす。それが生活の基本だということがシンプルに伝わってくるからだ。
お金に困ったから家財道具を売る。しかし何でもかんでも我慢するわけでもない。
一つの食材を調味料や調理法で美味しく食べようとする。
お金がない時は知恵で乗り切ろうとする。
今でも十二分に伝わるシンプルな生活術。必要以上のものは持たず、しかし蜆の殻で囲碁をたしなむように、楽しみは決して諦めない。
親が年老いて、自分がその親を看取る。そして自分は子どもにその役目を渡していく。
実直な毎日が積み重なることが時間の流れなんだと、当たり前のことがとても大切に伝わってくる。
武士の生活を見ているはずなのに、舞台は江戸から明治へと激動の時代のはずなのに、ストーリーが非常に身近に感じられるのは、時が流れても大事なことはそんなに変化しないからなのだろう。
***
大切な着物を手放したくない母に算用係の息子がいう台詞。
「母上。大事だといってもその着物は一度しか着ていないじゃないですか!!」
お母さんが大事にしたかったのは、その着物でなくその着物と一緒にある思い出だったのだ。
こういう何気ない台詞がとても身近に感じられるのだ。
そのまっすぐさ故に一度左遷されるも、結局その実直さ故に昇進。
昇進すればそれなりの生活をしなければならない。
そうやって膨らんでいった借金の数々。
よく考えれば、江戸の時代から出納という仕事があったのは当然なのだが、なかなか武士と会計という仕事は結びつかない。
がそんなことは観始めて5分も経てばちっとも気にならなくなる。
毎日を実直に過ごす。それが生活の基本だということがシンプルに伝わってくるからだ。
お金に困ったから家財道具を売る。しかし何でもかんでも我慢するわけでもない。
一つの食材を調味料や調理法で美味しく食べようとする。
お金がない時は知恵で乗り切ろうとする。
今でも十二分に伝わるシンプルな生活術。必要以上のものは持たず、しかし蜆の殻で囲碁をたしなむように、楽しみは決して諦めない。
親が年老いて、自分がその親を看取る。そして自分は子どもにその役目を渡していく。
実直な毎日が積み重なることが時間の流れなんだと、当たり前のことがとても大切に伝わってくる。
武士の生活を見ているはずなのに、舞台は江戸から明治へと激動の時代のはずなのに、ストーリーが非常に身近に感じられるのは、時が流れても大事なことはそんなに変化しないからなのだろう。
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大切な着物を手放したくない母に算用係の息子がいう台詞。
「母上。大事だといってもその着物は一度しか着ていないじゃないですか!!」
お母さんが大事にしたかったのは、その着物でなくその着物と一緒にある思い出だったのだ。
こういう何気ない台詞がとても身近に感じられるのだ。
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