私の映画玉手箱(番外編)なんということは無い日常日記

なんということは無い日常の備忘録とあわせ、好きな映画、韓国ドラマ、そして
ソン・スンホンの事等を暢気に書いていく予定。

イブに貰ったもの

2010-12-25 20:17:16 | なんということはない日常
クリスマス・イブの金曜日の夜、1人ノルウェイの森を見に行ったのだが、入口で木製のクリップを貰った。箱にメリークリスマスと書いてあるところをみると、クリスマスプレゼントだったのだろう。


クリスマス・イブの金曜日に1人映画を観る人なんているだろうか?とも思ったのだが、同志を何人か見つける。
ノルウェイの森を読んだ当時だったら「1人でクリスマス・イブを過ごすなんて」と寂しく思ったかもしれないが、20数年の月日は私を強くしたと思う。
1人でのんびり過ごす金曜日の夜はいいもんである。
決して負け惜しみではない。
20数年前と一番違うのは、
「まぁ 寂しいと思われても仕方ない。1人で映画を観ているんだし。。。」と開き直れるようになったことだろう。



スタバではノルウェイの森を応援しているらしい。雑誌Hanakoとコラボしたスターバックスプレスというミニ冊子(いやチラシと言えばいいのか・・・)を貰う。ノルウェイの人はコーヒー好きなのだそうだ。

ノルウェイの森

2010-12-25 20:06:16 | 映画鑑賞
同級生のキズキの恋人直子と再会した主人公ワタナベ。キズキが自殺したことでどこかバランスが崩れたような直子との日々。そして大学で出会った、直子とは全く違うタイプの女性緑。

映画からは、発売当時、本を読んだ時の感覚とかなり近いものを感じた。
「何もかも言葉で説明しようとする理屈っぽさ。しかもその理屈っぽさを否定する若者。
しかし世の中には言葉で説明できないものがあまりにも多く、言葉で説明できない感情があまりにも多いことに戸惑う若者。」
正直、何がどうなんだろう?とこの本を読んだ当時に感じた感情が甦ってきたのだ。
そういう意味では本の雰囲気を忠実に再現しているんだろう。

トラン・アン・ユンのミューズは、いつもほほのラインがややこけた感じの女性だ。
それから考えれば、菊地凛子が直子を演じるのは当然とも言えるだろう。
リー・ピンビンのカメラも綺麗だ。
ワタナベと直子の2人が出会う森の緑の色の深さ。
緑とワタナベが時間を過ごす大学の食堂に差し込む淡い外光。

突撃隊のエピソードなどももっと映像で観たかったのだが、時間の制約があるのでそれは無理だろう。
映画が気に入ったかどうかは別にして、本の雰囲気を生かした映像化に感心する。

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まだ昭和だった発刊当時、赤と緑の装丁は非常に印象的で本屋で思わず購入してしまったのを覚えている。
(秋に発売されたこの本は、クリスマスカラーの装丁のおかげで、冬に入って売り上げが伸びたのではという話もあったような気がする。)

熱狂的なファンではなく、ただ単に20数年前に読んだ本ということだけだったはずなのだが、映像を見ながら本を読んだ時の記憶が甦ってきた。
当時は言葉はふわふわと空間を流れるような感じで、映像を想像しながら記憶が余りないのだが、こんな風に60年代後半のファッションに身を包んだ登場人物が動くところを観ていると、当時思った色々な事が思い出されるものだ。


ノルウェイの森  上下巻セット (講談社文庫)
村上 春樹
講談社