私の映画玉手箱(番外編)なんということは無い日常日記

なんということは無い日常の備忘録とあわせ、好きな映画、韓国ドラマ、そして
ソン・スンホンの事等を暢気に書いていく予定。

お嬢さん

2017-03-05 19:31:41 | 映画鑑賞
スリ集団に育てられた身寄りのない少女は、スリ集団を牛耳る男の手で豪邸に住むお嬢さんの侍女として送り込まれる。

男は伯爵としてお嬢さんの莫大な遺産を目当てに彼女に近づくため、その手助けにと自分の手下でもある彼女を日本人のように暮らす金持ちの家に送り込むのだ。

日本統治下の韓国で、金と欲望に目がくらみ、さらには妙な変身願望に囚われるかのように日本人として生きようとする男の元で本を朗読させられるお嬢さん・・・・・
お嬢さんの寂しさを肌で感じ、妙なシンパシーを感じていくスリ集団の少女。

財産を奪おうとするための騙し騙されというストーリー展開はまだいい。
しかし、日本人のように暮らす男たちの生々しく妙な支配欲と権利欲が見え隠れする夜な夜な行われる朗読会がとにかく奇天烈だ。
既に権力を手にしているにも関わらず、飽くことを知らない男たちの視線の暴力が恐ろしい。
ストーリーよりも男たちの妙な欲望がとにかく気持ちが悪く、妙な映画だ。
そんな暴力的な男たちと違ってお嬢様と少女のつながりはある意味優しくもある。

もう一度見たいとは思わないが、見る価値はある映画かもしれない。

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妙な変身願望と現実から逃避している雰囲気を感じさせる彼らの日本語・・・・
日本語の科白が分かる故、日本人はこの映画をまた別の味方が出来るかもしれない。
(別に日本ラブということで日本語を話しているのではないのも良くわかる。あの時代、たまたま日本が身近にあっただけ。変身願望の行きつく所が日本語というだけだったのだろう。)

正直、気を抜くと何を話しているか分からない箇所がないわけではなかったが、お嬢様を演じていたキム・ミニは相当練習したのであろう。あの奇妙な話を母国語で演じられなかったことはどれだけ大変だっただろうか・・・


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