13年前、ソリのヴァイオリンの先生は、ブランクがあっても「気持ちがある」と彼女にフェスティバルのためのヴァイオリンの練習に参加することを勧める。
自分のブランクを考えて悩むソリの様子を心配そうに見つめるウジン。
心ここにあらずの彼女を見れば、ヴァイオリンの事で悩んでいることなど一目瞭然だ。道を歩いていても何も目に入らない彼女が心配で、車の助手席に乗せて送り迎えをしようとするウジンだが、幼いソリはそんな彼の気持ちが良く分からない様子。
何もして上げられないことを、もどかしく思うウジンだが、仕事現場の事故の際、無意識に指を庇う自分に気づき、ヴァイオリンを続けることを選ぶソリ。
仕事をする以外の時間は全てヴァイオリンに捧げる彼女の様子をまぶしく見つめるウジン。彼女に息子を紹介しょうとする人が出現すれば、分かりやすく邪魔をし、兎に角彼女が仕事とフェスティバルの練習に注力できるようにこっそり応援してあげるのだ。
何も気づかずに「クビにヴァイオリンを当てるから、ここにあざが出来るんです。このあざが有るということは、ヴァイオリニストらしいということなんです。」笑顔で報告する彼女に思わず、「綺麗だ・・・」とつぶやいてしまうウジン。
しかし、ヴァイオリニストの彼女を見つめるということは、13年前の自分の記憶と向かい合うということでもある。
空を見つめながら、頭の中の楽譜を読む彼女の様子を見て、克服したと思われた当時の恐怖がよみがえるのだ。
ソリがあの時の女子高生だと気がついたということか?
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そしてコンサートの企画者は、記憶を失くしていた彼女の事を目玉にして、イベントを行おうとしているんだろうか・・・