Netflix「愛の不時着」の大ヒットは必然だった韓流ファンだけではなくアメリカでも高評価
愛の不時着は、私も去年の暮れから楽しく見ていたドラマだったので、その楽しさは十二分に理解しているつもりだし、Netflixオリジナル作品故、一押しコンテンツであることも知ってはいたが、こんな内容のネット記事が配信されるほど話題になっているとは初めて知った。
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補佐官、補佐官2、 アルハンブラ宮殿の思い出、バガボンドとNetflixオリジナル作品のドラマを何本か楽しんでみたが、どれもNetflixの潤沢な資金力を感じずにはいられなかった。
愛の不時着では二人の運命の出会いのきっかけとしてスイスのシーンが何度も登場するし、アルハンブラ宮殿の思い出ではドラマの半分程はグラナダの街中で繰り広げられるゲームの場面で占められ、バガボンドでもハイジャックされた飛行機事故の秘密を暴くためにモロッコの街中で爆破シーンやカーチェースのシーンが延々と繰り広げられる。
ちょっとロケというレベルではなく、かなり腰を落ち着けてじっくり撮影したシーンで構成されたストーリーが、何話分にも分けて放送されるのだ。その気合の入れ方は見ている方にも確実に伝わってくる。
もちろん海外ロケをすればいいというわけでもなく、お金をかければいいという事でもないのだろうが、お金をかければ解決する問題はかなりあるということも事実だ。
愛の不時着では主演の二人(ヒョンビンとソン・イェジン)だけでなく、キム・ジョンヒョンとソ・ジヘカップルの話も描かれるが、なんだったらキム・ジョンヒョンとソ・ジヘカップルでもう一つ別のドラマを作ることだって出来ただろう。
資金力があれば、主演カップルと対比させるカップルに同じような主演クラスの俳優陣を充てることも出来るのだ。
更にソウルで自分の会社を持つソン・イェジンのパワフルさは、彼女に振り回される部下たちのエピソードで描かれることでより面白さが増すし、軍人ヒョンビンの生真面目なリーダーシップは、個性的な部下たちとのエピソードで描かれる。
主演二人のキャラクターを際立たせるのも、単純に二人の台詞に頼ることなく、登場人物を増やすことで印象的に描く事が出来る。
なんでもお金の話にするのも品がないかもしれないが、登場人物が増えればそれだけ費用もかさむというもの。そこを気にすることなく、ドラマの面白さを追求できるというのは恵まれた環境だと思う。
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オープニング、そして運命のエピソードとして何度も語られたスイスでの邂逅・・見ている人ほとんどが「最後はきっと〇〇で再会では?・・・」と思った事は確かだろうし、北の場面が、ほのぼのとしたスローライフだけにフォーカスされ過ぎていたことも、ちょっとやり過ぎだとは思うが、それらを消し去るパワーがあったこともことも確かだ・・・
愛の不時着は、潤沢な資金力に裏打ちされた機動力と韓国ドラマ特有の王道のストーリーが上手く融合してヒットになったんだろうと、一韓国ドラマファンとしては感じているところ。