アニメ版のSteins;Gate を全部見終わって、書こう書こうと思っていたのだけど、タイミングを逸していた。
でも、なんとなくFate/Zeroからの虚淵玄つながりの勢いで記しておく。
で、書こうと思ったくらいだから想像はつくと思うけど、このSteins;Gate、面白かった。
確か第一話を見たときには、なんかようわからん、と感じで、かなり憮然としていたのだけど、それでも根気よく見続けて、最終4話ぐらいは確かにそれだけで面白かった。
改めて通しで見たのだけど、これは確かに最終話を知らないと第一話は何を言ってるのか全くわからなくて当然という感じがした。
裏返すと、このあたりは、ゲームが原作となったものの映像化の難しい所でもあるのだろうけど。
Steins;Gateは構成的にいわゆるループ脱出型のゲームだから、そのループが何重にも重ならないと多くの部分が意味不明のセリフや行動になってしまう。
でも、それが最後に全て重ね書きされると、文字通り断片だったピースが全てカチッとはまって、一気に物語の全貌が浮き上がってくる。
そういう意味で、最終コーナーでのカタルシスは驚きの連続で素晴らしかったと思う。
ちょうどタイミングよく、実物のCERNのニュートリノの実験結果も出てきて、そういう意味でも、タイムリーな?物語設定でも合ったと思う。
ということで、これはオススメの作品になった。
ただ一つ最後まで理解できなかったのは、タイムリープや世界線の跳躍の間で、登場人物の同一性が漠然と担保されていたところ。
いわゆるバッドエンド、トゥルーエンド、という割り振りで行けば、プレイヤーキャラである岡部が、彼の視点から見て最も都合の良い世界を選択する、つまり、彼の悲しみが最も少なく幸せが最も多い世界を選択する、ことが物語の基本。
で、岡部以外のキャラは、異なる時空間の同位体として記憶を継承しない、という設定だったはずだった。けれども、最後の方は、どうも記憶を残滓として共有するような形になっていて、これが今一つしっくりこなかった。
つまり、異なる時空間にいる筈の自分がどうなるか、ということは本来的にはどうでもいいことではないのか?と思うところが多くて。だから、最後のβ世界線の牧瀬が、α世界の牧瀬が死ぬことを危惧する、というのがよくわからなかった。多分、そのような世界に岡部を飛ばすことを躊躇する、ということかもしれないけど。
あわせて、跳躍後、岡部はその世界にもとどまっているのかどうか、というのもはっきりしなかった。というか、その描写は一切なかった。
真面目に捉えれば、全ての世界線、時空間が、平行世界であるかぎり、そこにも岡部がいる筈。だからこそ、最後の場面では、過去に戻った岡部がその時点での岡部を騙すということができたわけで。
で、だとすると、βからαに世界線を移動しても、両方の世界に岡部はいる筈で。だったら、牧瀬は、岡部の世界線の移動に対してあれほど狼狽する必要はなかったのではないか。
実は、このあたりを疑問に思ってしまって、物語的カタルシスにはどっぷり浸かる一方で、岡部が放ったらかしにしてきた様々な世界のキャラ達はどんな世界を送ってるのか、というのがとても気になった。その意味で、どうにも後味が悪い感じがしたのも確か。
ま、このあたりは考え始めたらきりがなくて、実質的には、最初の岡部がいる世界が最善の世界であり、それしか実現されないという風に捉えれば、全て「別れの悲しみ」ということで理解できるのだけど。
でも、最善の世界=岡部にとって都合の良い世界、を奪取することだけが目的化するのはなんだかちょっと無理があるなあとも思ったのだった。
とはいえ、最終コーナーでは、演出や台詞によって物語的カタルシスを十分得られた。
むしろ、お話の勢いの中でうまく騙しきった手腕を賞賛すべきなのかも知れない。
ということで、Steins;Gate、面白かった。
でも、なんとなくFate/Zeroからの虚淵玄つながりの勢いで記しておく。
で、書こうと思ったくらいだから想像はつくと思うけど、このSteins;Gate、面白かった。
確か第一話を見たときには、なんかようわからん、と感じで、かなり憮然としていたのだけど、それでも根気よく見続けて、最終4話ぐらいは確かにそれだけで面白かった。
改めて通しで見たのだけど、これは確かに最終話を知らないと第一話は何を言ってるのか全くわからなくて当然という感じがした。
裏返すと、このあたりは、ゲームが原作となったものの映像化の難しい所でもあるのだろうけど。
Steins;Gateは構成的にいわゆるループ脱出型のゲームだから、そのループが何重にも重ならないと多くの部分が意味不明のセリフや行動になってしまう。
でも、それが最後に全て重ね書きされると、文字通り断片だったピースが全てカチッとはまって、一気に物語の全貌が浮き上がってくる。
そういう意味で、最終コーナーでのカタルシスは驚きの連続で素晴らしかったと思う。
ちょうどタイミングよく、実物のCERNのニュートリノの実験結果も出てきて、そういう意味でも、タイムリーな?物語設定でも合ったと思う。
ということで、これはオススメの作品になった。
ただ一つ最後まで理解できなかったのは、タイムリープや世界線の跳躍の間で、登場人物の同一性が漠然と担保されていたところ。
いわゆるバッドエンド、トゥルーエンド、という割り振りで行けば、プレイヤーキャラである岡部が、彼の視点から見て最も都合の良い世界を選択する、つまり、彼の悲しみが最も少なく幸せが最も多い世界を選択する、ことが物語の基本。
で、岡部以外のキャラは、異なる時空間の同位体として記憶を継承しない、という設定だったはずだった。けれども、最後の方は、どうも記憶を残滓として共有するような形になっていて、これが今一つしっくりこなかった。
つまり、異なる時空間にいる筈の自分がどうなるか、ということは本来的にはどうでもいいことではないのか?と思うところが多くて。だから、最後のβ世界線の牧瀬が、α世界の牧瀬が死ぬことを危惧する、というのがよくわからなかった。多分、そのような世界に岡部を飛ばすことを躊躇する、ということかもしれないけど。
あわせて、跳躍後、岡部はその世界にもとどまっているのかどうか、というのもはっきりしなかった。というか、その描写は一切なかった。
真面目に捉えれば、全ての世界線、時空間が、平行世界であるかぎり、そこにも岡部がいる筈。だからこそ、最後の場面では、過去に戻った岡部がその時点での岡部を騙すということができたわけで。
で、だとすると、βからαに世界線を移動しても、両方の世界に岡部はいる筈で。だったら、牧瀬は、岡部の世界線の移動に対してあれほど狼狽する必要はなかったのではないか。
実は、このあたりを疑問に思ってしまって、物語的カタルシスにはどっぷり浸かる一方で、岡部が放ったらかしにしてきた様々な世界のキャラ達はどんな世界を送ってるのか、というのがとても気になった。その意味で、どうにも後味が悪い感じがしたのも確か。
ま、このあたりは考え始めたらきりがなくて、実質的には、最初の岡部がいる世界が最善の世界であり、それしか実現されないという風に捉えれば、全て「別れの悲しみ」ということで理解できるのだけど。
でも、最善の世界=岡部にとって都合の良い世界、を奪取することだけが目的化するのはなんだかちょっと無理があるなあとも思ったのだった。
とはいえ、最終コーナーでは、演出や台詞によって物語的カタルシスを十分得られた。
むしろ、お話の勢いの中でうまく騙しきった手腕を賞賛すべきなのかも知れない。
ということで、Steins;Gate、面白かった。