BLACK SWAN

白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

ギルティクラウン 第3話 『顕出 void-sampling』

2011-10-28 14:24:34 | Weblog
なんだろうなぁ。決して手放しに面白いとはいえないのだけど、どうもあれこれ言いたくさせる作品だよな、ギルクラは。

目立つのは未だにギアスとの類似性だけど、それだけじゃなく、歌う女子とか、過去の日本アニメのおいしいとこ取りの要素が大。あと、『東のエデン』のときからそうだけど、ウォーターフロント的な一見華美で瀟洒な「都会」を背景にするバブリーな雰囲気は往年のフジのドラマ的。てか、ガイとかなんだろうねぇ、あの格好w

で、前回の引きで、そのまま主人公は葬儀社入りするのかと思えば、あっさりどうでもいい日常に戻らせる当たりが、まさに終わらない日常の90年代風。

総じて、この作品は、設定や各種ギミックはいろいろ考えてるし、supercellを使う当たりも、ピンドラのやくしまるえつこ同様、割りと現代的な雰囲気を醸し出すのにいいところを突いてきているのに、いかんせん、物語の根幹がどうにも古臭い。それもゼロ年代どころか、90年代臭がするわけで。

その古さが、物語の背景にある、オウンゴールによる日本占領とあいまって、やっぱり自虐的に見えてしまって、素直に物語に没入させてくれない。ノイズが多すぎる。もう少し、その制作者側の自意識を排除するような慎ましさが欲しいところ。

前回の引きで、学園パートってこの作品に必要なのか?と思ったのは、それじゃまたぞろ主人公がうじうじしたシンジの再来じゃん、と直感して、また、エヴァかよ、と思ったわけだけど、案の定、エヴァ同様、ヴォイドの取り出しは17歳以下だから、実質武器の素材となるのは学生に限られる=学園パートは不可欠、ってことになったわけで、もう、ホント呆れる。ギアスだけでなくエヴァもかよ、って。大体、歌使うところは、マクロスだったりメガゾーンだったりするわけでしょ、よくは知らないけど。

で、ヴォイドの設定とその利用ができるのは主人公(+2人)に限られることから、作品開始前に宣伝されていたように、まさに周りにいる同級生(のヴォイド)を利用して窮地を脱することになる。きっと、その過程で、仲間もできれば敵もできる・・・。

って思って見てたら、最後にあっさり裏切られてるしなw
うーん、この主人公、いったい誰得なんだ?

これでいっその事、逮捕された主人公が支配者側に篭絡されて葬儀社の好敵手になっていく、というのであればちょっとは面白くなりそうだけど。とことん、自分の意志はなく(彼に意志がないことは葬儀社入りを拒否した段階で一応示されてるから)、長いものに巻かれる奴ということで。意志なき全能なんて害悪でしかない、というのをいっそのこと描く。主人公の少年は途中で退場し、一応彼の能力を次ぐ新たな主人公が現れる、とかね。要するに、主役ロボが途中で大破して新ロボが登場するのと同じ展開。でも、本作の場合は、主人公が能力者で、いわばロボそのものだから、ありえない展開でもないと思うのだけど。

ま、さすがにそんな風にはせず、葬儀社とかが主人公を救出して、途中はもうちょっといろいろ道草的エピソードをまぶしつつ、結局、葬儀社入りして、ん?何のために戦うのかはあまりよくわからないまま、クラスメートの何人かを武器として利用しつつバトルをとりあえずは繰り返す。で、最終コーナーで、それまでのエピソードで体験したことから、改めて葬儀社の目的と対峙して・・・、とかいう流れかなぁ。

うーん、やっぱりあからさまにおいしいとこ取りしている分、物語としての選択肢についても類型化されたものを想像させずにはいられないので、どこか既視感が漂ってしまって、その分没入をさせず、結果的に不満の方が残ってしまう。そういう感じ。

いろいろな意味で残念さが漂う感じがする。

主人公誰得?というのはこういうことで、物語的共感が生み出されにくいフレームだよね、これ。学園パートはなく、前回の引きでいきなり葬儀社入りするところから始まれば、また大分様子も変わったのだろうけど。ま、いきなり子供が大人の活動に巻き込まれて・・・というのではフラクタルの二の舞になる、と思われたのかも知れないが。

最近、Fate/Zeroを通読して、Fate/Stay nightより面白いのは、結局ギャルゲーベースのStay nightと違ってZeroの場合、子供たちが主人公でないから物語的広がりが確保できて面白いんだ、と感じた。多分にこのことも影響しているのだとは思うのだけどね。

大体いまどきの子が、うじうじした90年代風主人公なんか見て共感できるのかな?そういうところがとても疑問。もっとロールモデルが求められてると思う。Zeroが面白いのはその役割をウェイバーが一身に引き受けているところなんだよね。

・・・って、やっぱりZeroのこと、ちゃんと考えなきゃだなぁ。。。

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