BLACK SWAN

白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

Fate/Zero 第5話 『凶獣咆吼』

2011-10-30 18:31:42 | Fate
キャスターを除く英霊が揃い踏みする今回の場面は、原作でも白眉のシーン。
で、それが文句なく再現されていて、これは映像化してくれてアリガトウ!って言わざるを得ない。

それにしても、うまく表現してきたな。
再現というレベルを超えている。

いや、シーンそのものは原作の印象通りなのだけど、その印象のように映像を作るのは凄いよ。繰り返しになるけどホライゾンの方がどう見てもスタッフが原作未消化なまま刺激の強い場面とその絵だけを頼りに無理矢理映像にしているのとはレベルが違う。

で、いよいよ、Zeroの本当の主人公であるイスカンダルが本格的に動き出した。
ケイネスに対する豪快な侮蔑は、原作の中でも胸がすくところだったのだけど、やっぱりいいね。イスカンダルあってのZeroというのがとても良くわかる。

イスカンダルが本当の主人公というのは、原作を読んでの印象だけど、今回のように、彼は、終始、このZeroの場を支配していく。彼が物語の方向を、あの豪放磊落なセリフとともに都度決めていく。非常にいい。

Stay nightの前日譚としてのZeroの場合、セイバー、ギル、切嗣、綺礼、は最初からキャラが決まっていて、かつ、Zero後の世界でのあり方についても既に記されている。裏返すと、彼らのパラメータは既に固定されてしまっている。

そのため、勢い、彼ら以外のキャラがこのZeroの物語自体の牽引役にならざるを得なくて、その時、一番目立って場を支配するのが征服王。

これ以上書くと今後のネタバレになってしまうから、それはZero原作の感想として、別途書くつもりだけど、とにかく、今回の登場人物らの動きは、原作に忠実でありながら原作を超える凄さを伴っていて、いや、とにかく参りましたw

そう思って考えてみると、Stay nightの方って、英霊が揃い踏み、っていうシーンはなかった。あちらは、主人公らが皆ウェイバーのような子供であるため、一人一人の行動原理が未完成なものばかりなので、彼らの個人的悩みばかりがともすれば、鬱々と語られてしまうわけだけど、Zeroの方は基本的に「大人」が動いている分、個々のキャラに厚みや陰影があっていい。で、その陰影を、たとえば今回の雁夜のように短いセリフで印象的に表現しているのがZeroのいいところ。これは原作でも映像でもどちらでもうまく描かれている。そのせいか、セイバーすら、Stay nightの時よりも精神年齢が大人のように見えてくるから不思議(ギルは全くキャラがブレないわけだけどw)。

あと、Zeroの方では、決してマスターとサーヴァントの関係が単純な主従関係になっていないところがとにかく面白い。その典型が、ライダー組の、イスカンダルとウェイバーで、もはやどちらがマスターかわからない。

単純な主従関係にならない、というのは、マスターとサーヴァントがそれぞれの意志や利害を独自にもっているからで、そのため、双方の思惑がどこまで協調できるか、という問題も抱える。こちらは、今回の遠坂時臣とギルの関係が典型。

そうして、決して7組のサバイバルゲームに落ち着かない所がZeroの際立った特徴になる。

で、その中で、やはり物語の扇の要を占めるのがイスカンダル。

気になる人は、是非原作を読んで欲しいが(もしくは最終話までこのシリーズを見て欲しいが)、イスカンダルがいなかったら、多分、そうした錯綜した物語が文字通り錯綜したまま飛び散ってしまう感じがとてもするわけで。

ともあれ、今回で、前半の山場を一つ越えたわけで、今後はこの面々の思惑の錯綜ぶりが少しずつ明らかにされていく。

いやー、楽しみ。

まどマギやシュタゲが先にあって虚淵玄という個人名が既に立っていることもあるのだろうけど、Stan nightの時とは全く異なる密度を感じる。絵の密度はもちろんのこと、物語の構成もCVの人たちの芝居も含めて。こういうところは、ギルクラのスタッフの人達は是非とも参考にしてほしいな。物語を作るというところ。

まずは、次回のXXXXがどうなるか、気になるw

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