BLACK SWAN

白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

東京レイヴンズ 第10巻 感想

2013-11-12 21:32:26 | レイヴンズ
現在放送中のものを見て、もしかして面白い?って思って、原作を読み始めたんだけど。。。
これがメチャクチャ面白い!
いやー、久しぶりにアタリを引いた気がする。
なので、10巻感想、ってあるけど、実際には、10巻までの感想になるかな。

原作では、9巻までが第1部、10巻から第2部、となる。
ちなみに、第1部の締めである、8巻、9巻は圧巻だった!と最初に書いておく。
むしろ、今放送中のシリーズではどこまで描くのかな?と思うくらい。
いや、ホント、凄いです。
とても、ラノベを読んでる気がしなかった。
それくらいドラマがある。

ということで、いつもどおり、スペースを開けておきますw
















































とにかく、この東レwの凄いところは、プロットがもの凄くきっちり練られているところ。

9巻までの第一部で、結局、春虎こそが夜光の生まれ変り、ということになるのだけど、そこまでの展開がうまい。

それに、全てのキャラクターがきちんと物語に絡んでくる。
伏線が無駄に巻かれることなく、きちんと後ほど回収される。
ミスディレクションも多用され、あれれ、という具合に予想が覆される。
ちょっとした思わせぶりな言葉遣いも、単なるポーズではなく、しかる後にその意味が明かされる。

・・・といった具合に、とにかく、これ、読んでて楽しいのだ。

それに、描写も文章もきっちり書き込まれている。
重要な作内設定は何度も解説されるのだけど、それがしかるべきところに挟まれているので、ああーもうそれ知ってるよ―、なんて思わせることもない。
むしろ、読み進める上での「間」をとるために、巧妙に挟み込まれる。
シーンの変化にも一切無駄がない。(特に9巻)

ということで、これは、ホントに、素晴らしい。
正直いって、ここのところ、展開がもたついているとしか思えない、アクセル・ワールドや禁書目録の作者は、東レを読んで勉強すべきだと思うほどw

で、最初に書いたとおり、10巻は第二部のスタートに当たり、主人公が春虎から夏目に変わる。
そして、春虎と夏目のポジションが入れ替わったことを象徴するように、物語のスタートが第一部の反復のような静かなところから始まる。

これだけでもホント上手い。

その上で、第一部で名前だけの登場、あるいはチョイ出演って感じでいたキャラを登場させることで、全体の雰囲気も第一部との間で断絶を生み出している。

こういう「雰囲気」の調整が、この作者はホントに上手。

圧巻なのは、最後の最後で明かされる、新登場の秋乃が相馬の一族であるところ。
いや、マジで上手いよ。

どう考えたって物語的には「つづく」なのだけど、それでいて、きちんと物語は10巻単体で完結している。

そういう意味では、6巻から9巻まで基本的には大きな物語は連続しているのだけど、一応、個別の事件は、それぞれの巻で完結しているわけで、そういう、なんていうのか、シリーズ構成がホントにチャンとしている。

・・・って全然10巻そのものの感想に行かないなw

第一部からの変化で一番大きなことは、多分、夏目が実質的に「死人=ゾンビ」として蘇ってしまったこと。
そして、それもあってか、春虎との間に距離ができていること。
その結果、第二部では、夏目が春虎を追いかけることになること。
その構造の変化は面白い。

そして、10巻では小出しにしか明らかにされていないけれど、春虎、夏目、冬児、京子、天馬、鈴鹿、の仲間が、皆バラバラになってしまったこと。
これは、9巻の最後で、冬児が予言していたことだけど、そのとおりになっている。

なので、このバラバラになった仲間が再度結集するのか?、というのもこれからの見どころの一つ。まぁ、既に鈴鹿が相馬の家に出入りしているようだから、簡単には全員結集、というわけにも行かないのだろうな、と。

そもそも、再結集する動機が、春虎に会う、というのだけでは弱いよね。
当然、この先、再結集の目的も変わってくることだろう。

あと、10巻である意味大活躍したオッサンの三善だけど、このオッサンの配置換えが今後どう影響するのか。

いや、どう考えても、陰陽庁の十二神将も、一枚岩のままではいられないでしょ。
多分、倉橋、夜叉丸の陰謀に与するものと、それに造反するものと別れると思うのだよね。その時に、目が効く三善が一つのキーパーソンになりそうな気がする。

もちろん、もう一人の鍵は、現在潜伏中の天海なはずだけどね。
そして、その天海と冬児が一緒にいる(らしい)ことを踏まえると、造反した十二神将が、何らかの形で春虎たちと合流することもあるかもしれない。

いや、その前に、春虎がどうなったのか。
夜光の意志をどう次ごうとするのか。
そもそも、夜光は何のために転生を試みたのか。

このあたりも大きな謎。

・・・という感じで、とにかく、東レは、続きを気にかけさせる要素で溢れている。

で、それだけでなく、本文自体もグイグイ読ませるんだよね。

いやー、ホント素晴らしい。

是非ともアニメで9巻の内容をやってほしいと思うぐらい。

何か中途半端な感想になってしまったので、また書くかもしれないけれど、10巻は第二部の開始としては、とてもよく出来てたと思う。

今から、11巻が楽しみだけど、先月10巻が出たばかりだからな―。
いつになることやら。

そういう意味では、一気に第一部の終了まで読みたのは良かった!

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