バクチノキの実
<バラ科サクラ属>
別名ビランジュ
暖地の沿岸部にはえる常緑高木。
樹皮は灰褐色で鱗片状にはがれ、
その後は紅色になる。
葉は互生し、長楕円形で革質、先はとがりふちに鋸歯がある。
9月頃、
葉のわきから短い総状花序をだし、
白い花を密につける。
花序には葉はない。
果実は、
はじめゆがんだ卵形だが、翌年の5月頃楕円形になり、
紫黒色に熟す。
葉は咳止めや鎮静剤に使われる。
↓は幹の色
コブシ(辛夷)
<モクレン科モクレン属>
山野に生える落葉小高木。
葉は広倒卵形。裏面は淡緑色。
3~5月、
枝先に芳香のある白い花を開く。
花の下に葉が1個付くのが特徴。
↓
花弁は6個で基部は紅色を帯びる。
萼片は3個で小さい。
9~10月に熟すと、
袋果が裂け、赤色の種子を白い糸で吊り下げる。
ハクモクレンと辛夷
手前がハクモクレン
<俳句歳時記>春
辛夷(こぶし)
[姫辛夷・花辛夷]
暮るゝまでこころ高貴や花辛夷 藤田 湘子
朝の辛夷あきらかにひとりは船長 森下 草城子
日の入りし空の寄せくる花辛夷 小池 文子
空蒼し風をこぼしてこぶしの芽 河野 南畦
枝垂れ柳の花
<ヤナギ科ヤナギ属>
細い枝がしだれるのが特徴の落葉高木。
樹皮は暗灰色で縦に裂ける。
葉は披針形で先はしだいに細くなりとがる。
裏面は粉白色。
3月~5月、
基部に3~5個の小さな葉をつけた尾状花序をつける。
これはたぶん雄花序
<俳句歳時記>春
柳(やなぎ)
[青柳(あおやなぎ)枝垂れ柳、糸柳など]
水おいしい酒造とりまくは柳 大貫 つるじ
わが遠近青柳青し龍やさし 阿部 完市
おしゃべりに柳の夜のうすまりぬ 伊東 達夫
橋の名は薄るるばかり糸柳 鈴木 鷹夫
ザゼンソウ
<サトイモ科ザゼンソウ属>
深山の湿地にはえる。
花は葉がのびないうちに咲く。
肉穂花序を単生。
肉穂は内面が紫黒色の大きな仏えん苞で覆われ、
形が達磨の座禅の姿に似る。
異臭がある。
雌雄異株。
ダルマソウとも言う。
セツブンソウ(節分草)
<キンポウゲ科セツブンソウ属>
日本独特で山地の戸書け等に自生する小形の多年草。
石灰岩地を好む。
茎はまっすぐ、またはややななめにのび、高さ5~15センチ。
根生葉は5~10センチの長い柄があり、
5角形円形で3全裂する。
裂片は羽状に欠ける。
苞葉の中心から1センチくらいの花柄を一本直立し、
その先端に白色の小さな花を1個つける。
花びら状に見えるのは5個の萼片。
黄色の蜜腺がある。
早春に咲く。
下はキバナセツブンソウ
セツブンソウの群れ
ヒュウガミズキ(日向水木)
<トサミズキ科ヒュウガミズキ属>
落葉低木。
葉は卵形で裏面に有毛。
3~4月、
長さ2センチくらいの短い穂状花序に黄色い花をつける。
花弁は5個で倒卵状楕円形。
雄蕊は花弁より少し短い。
葯は赤黄色。
ヒマラヤユキノシタ
<ユキノシタ科ヒマラヤユキノシタ属>
常緑多年草
葉は大きく革質で固く、丸く円座状になる。
1月~4月に、
茎の先に円錐花序をだし、
桃色の花をたくさんつける。
花弁は5枚、他に白や濃い紅色もある。
花後の実は、熟すと下部が裂け、種子がでる。
サンシュユ(山茱萸)
<ミズキ科ミズキ属>
落葉小高木。
樹皮は帯褐色で鱗片状にはがれる。
葉は卵状楕円形で、先はとがる。
裏面は有毛で、主脈の基部に褐色の毛のかたまりがある。
3月頃、
葉に先だって枝一面に散形花序をつけ、
黄色の小さな花を密に咲かす。
<俳句歳時記>春
山茱萸(さんしゅゆ)
[春黄金菊(はるこがねぎく)]
しのびあふけものありけり花さんしゅゆ 田浪 富布
山茱萸の花のこぞりて黄を凝らす 塩川 雄三
山茱萸の銀河系めくひろがりに 鳥居おさむ