NTT Communications Forum 2007でのNTT Com.和才博美社長と日経コンピュータ浅見直樹発行人の対談で、浅見氏が、IMD発表の日本の国際競争力が24位と極めて低いが、その根源には、世界的にも最低水準にある日本企業のIT投資やIT投資マインドの低さと言う深刻な問題があるのではないかと問いかけた。
また、日本のIT投資の過半は、新しいビジネスの価値を生み出さない、収益性の向上やコスト削減、業務の合理化に向けた投資で、逆に、アメリカなどは新規事業やビジネスモデルの改革など成長を指向した戦略的なIT投資が多く、この辺りにも問題があるとする。
IT投資と経営目標との整合性、CIOと経営者の連携などと言った経営と密着した問題にしても、アメリカと比べて、日本企業の企業は、各段に程度が低いのである。
これに対して、和才社長は、日本のIT業務のカスタマイズに問題があると言う。
コアビジネスについては、カスタマイズは有効だが、ノンコアのサポートなどには、パッケジ型のソフトを活用するなど、何でも自前主義と言う考え方を止めて、アウトソーシング、すなわち、外部のリソースを内部に取り込む努力をすべきであると言う
しかし、問題は、日本企業の場合、IT投資による効果が現れずコストパーフォーマンスが悪いのは、ITそのものの活用の仕方に問題があるようである。
ITシステムそのものが、経営者がITをあまり使っていない、経営者の手元に必要な時に必要な情報が集まってこない、と言ったようなことが根本にあって、要するに経営と直結したIT戦略が整備されておらず、経営に活かされていないと言うことであろう。
もう一つは、先に指摘されていたような業務合理化や生産コスト削減や納期短縮と言った内部的な価値創造の視点のみにIT戦略が向いてしまって、肝心の顧客にとってプラスになるような、顧客にとって価値のあるITシステム、或いは、新規事業やイノベーションなどと言った創造的で発展型の戦略的ITシステムの構築などを指向してこなかったIT戦略の間違いである。
東大の松島克守教授の「経営戦略はビジネスモデルに展開され、ITで実装されなければならない」と言うITシステム構築の不備なのではなかろうか。
もう一つ松島教授が指摘しているのは、ITシステムは、コネクターで結ぶようにコネクタブルなシステムでないとだめで、アライアンス企業やサプライヤーとも切れ目なく繋がらないとシステムがネックとなって有効に動かなくなると言うことである。
このフォーラムの後半で、日産自動車の行徳セルソCIOが「日産自動車グローバルONE NETWORKでのセクリティ戦略」と言うテーマで講演していたが、日産のONE NETWORK PROGRAMでも、サプライヤーなどと直結しておらず、システム全体のコネクションはまだまだ先のようである。
やはり、日本企業の製造業では、CADなどで、設計・生産分野でのIT,デジタル化は、非常に進んでいるものの、サプライチェーンや、デマンドチェーンをITで直結してコネクタブルにすると言う面では、アメリカ企業などに大きく遅れを取っているようである。
ところで、和才社長の講演では、IT業務のアウトソーシングについてはスマイルカーブ論など交えて結構突っ込んだ話がされていたが、今やウイキノミクスと共創の時代においては、ICT革命の申し子とも言うべきオープンビジネスモデルによるコラボレーションがグローバルビジネスの趨勢だが、全く言及もされなかった。
日本の得意とする擦り合わせインテグラル型のビジネスモデルとは違った、ICT革命によって培われた新モジュラー型のものづくり・サービスとも言うべきグローバルベースでのオープンビジネスあってこそのICT戦略であって、アウトソーシングと言った近視眼的なビジョンではダメである。
インターネットや携帯端末や半導体の容量のムーアの法則的な拡張・進歩を説いても、肝心のICT技術がどのようにものづくりやビジネスモデルを変革し活用されているのかを、本質的な視点からアプローチしないとICT革命を正しく捉えられない筈である。
このオープンビジネスモデルそのものが、松島教授の言うコネクタブルなITシステムの構築によって、限りなくものづくり世界を変革して行くのである。
また、日本のIT投資の過半は、新しいビジネスの価値を生み出さない、収益性の向上やコスト削減、業務の合理化に向けた投資で、逆に、アメリカなどは新規事業やビジネスモデルの改革など成長を指向した戦略的なIT投資が多く、この辺りにも問題があるとする。
IT投資と経営目標との整合性、CIOと経営者の連携などと言った経営と密着した問題にしても、アメリカと比べて、日本企業の企業は、各段に程度が低いのである。
これに対して、和才社長は、日本のIT業務のカスタマイズに問題があると言う。
コアビジネスについては、カスタマイズは有効だが、ノンコアのサポートなどには、パッケジ型のソフトを活用するなど、何でも自前主義と言う考え方を止めて、アウトソーシング、すなわち、外部のリソースを内部に取り込む努力をすべきであると言う
しかし、問題は、日本企業の場合、IT投資による効果が現れずコストパーフォーマンスが悪いのは、ITそのものの活用の仕方に問題があるようである。
ITシステムそのものが、経営者がITをあまり使っていない、経営者の手元に必要な時に必要な情報が集まってこない、と言ったようなことが根本にあって、要するに経営と直結したIT戦略が整備されておらず、経営に活かされていないと言うことであろう。
もう一つは、先に指摘されていたような業務合理化や生産コスト削減や納期短縮と言った内部的な価値創造の視点のみにIT戦略が向いてしまって、肝心の顧客にとってプラスになるような、顧客にとって価値のあるITシステム、或いは、新規事業やイノベーションなどと言った創造的で発展型の戦略的ITシステムの構築などを指向してこなかったIT戦略の間違いである。
東大の松島克守教授の「経営戦略はビジネスモデルに展開され、ITで実装されなければならない」と言うITシステム構築の不備なのではなかろうか。
もう一つ松島教授が指摘しているのは、ITシステムは、コネクターで結ぶようにコネクタブルなシステムでないとだめで、アライアンス企業やサプライヤーとも切れ目なく繋がらないとシステムがネックとなって有効に動かなくなると言うことである。
このフォーラムの後半で、日産自動車の行徳セルソCIOが「日産自動車グローバルONE NETWORKでのセクリティ戦略」と言うテーマで講演していたが、日産のONE NETWORK PROGRAMでも、サプライヤーなどと直結しておらず、システム全体のコネクションはまだまだ先のようである。
やはり、日本企業の製造業では、CADなどで、設計・生産分野でのIT,デジタル化は、非常に進んでいるものの、サプライチェーンや、デマンドチェーンをITで直結してコネクタブルにすると言う面では、アメリカ企業などに大きく遅れを取っているようである。
ところで、和才社長の講演では、IT業務のアウトソーシングについてはスマイルカーブ論など交えて結構突っ込んだ話がされていたが、今やウイキノミクスと共創の時代においては、ICT革命の申し子とも言うべきオープンビジネスモデルによるコラボレーションがグローバルビジネスの趨勢だが、全く言及もされなかった。
日本の得意とする擦り合わせインテグラル型のビジネスモデルとは違った、ICT革命によって培われた新モジュラー型のものづくり・サービスとも言うべきグローバルベースでのオープンビジネスあってこそのICT戦略であって、アウトソーシングと言った近視眼的なビジョンではダメである。
インターネットや携帯端末や半導体の容量のムーアの法則的な拡張・進歩を説いても、肝心のICT技術がどのようにものづくりやビジネスモデルを変革し活用されているのかを、本質的な視点からアプローチしないとICT革命を正しく捉えられない筈である。
このオープンビジネスモデルそのものが、松島教授の言うコネクタブルなITシステムの構築によって、限りなくものづくり世界を変革して行くのである。