熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

日本人旅行者の海外での犯罪被害

2020年09月19日 | 海外生活と旅
   インターネットを叩いていると、TABIZINEと言うページで、”【ニューヨーク総領事館に聞いた】日本人旅行者の男女別にみる犯罪被害とは”という記事に出くわした。
   深刻な犯罪は別として、例示されている犯罪被害が、如何にも、単純なアナログ傾向なのに、一寸驚いた。
   筆頭は、スリ被害で、高級時計の盗難、メガネ詐欺、CD詐欺であった。
   動画で映っていたのは、地下鉄の中や駅構内での、タブレットやスマホのひったくりで、タブレットのひったくりのシーンでは、一人がドアを押さえて開いておき、発車寸前に奪った男が飛出して、ドアを放すと地下鉄は発進、スマホは、ながら族からひったくって全速力で逃亡、いずれにしろ大男にやられるのだから追っかけても無駄。
   メガネ被害は、ぶち当たられた拍子に落ちたメガネが破損したと因縁をつけられて弁償させられたケース、CD詐欺は、自作CDを無料配布しているように見せかけ,CDにサインしたものを受け取ると不当な料金を請求されるケース。
   
   私の場合は、殆ど前世紀になるのだが、海外生活が長かったので、何らかの被害に遭ったり、犯罪未遂に遭遇しているので、イヤイヤながら思い出してしまった。

   一番多いのは、飛行機で移動中に、盗難に遭ったケース。
   サッチャーのビッグバン以前のイギリス病に泣いていた頃の惨憺たる経済不況のイギリスで、ヒースロー空港では、必ず間違いなしにスーツケースが開けられて開けられて盗難に遭った。2回や3回ではなかった。
   その頃、ロンドンの高級ホテルでも、スーツケースをズタズタに切られて、中身がごっそりとやられた。

   もう一つ、困ったのは、飛行機で移動中のスーツケースの盗難で、この時は、まず、真夏のサンパウロに飛んでパラグアイのアスンションでネゴをして、真冬のニューヨークにとって返して仕事をするという強行軍の出張で、とにかく、殆ど手荷物を持たずに衣服は勿論総てスーツケースの中に入れて移動しており、最初に降り立ったサンパウロで、スーツケースが出てこず、乗り継ぎのニューヨークで盗難に遭ったのである。
   旅行荷物が総てなくなってしまったときの悲しさ悲惨さ、一週間の夏と冬が一緒に来た旅行をどう過ごすのか。
   長い旅行中、着の身着のまま、サンパウロでもアスンションでもニューヨークでも、下着類はともかく、典型的な日本人である私に合う服など調達は無理、
   政府とのネゴなど資料なしで済ませ得たのは良かったが、地球の大きさと天候の格差の激しさを思い知らされた苦い経験であった。

   最も困った盗難は、イタリアのフィレンツェで、レストランの野外テーブルで食事中、椅子に掛けていた妻のハンドバックをスリに盗まれたとき。
   後ろを通って出ようとした若い男女が嫌に押すので、妻にも注意されて前かがみになって空間を作ったのだが、盗難のカモフラージュで、この時に、ハンドバックを持って行かれたのである。
   何よりも困ったのは、この中に、スーツケースの鍵を入れていたことで、先のニューヨークのケースではないが、スーツケースが開けられなくては、旅行に支障を来す。
   ホテルに帰ってボーイに話したら、何時もやっているわけではないよ、と言いながらにっこりとウインクして開けてくれた。このあたりは、流石に、レオナルド・ダ・ヴィンチの国である。
   まだ、ヴェローナ、ベネチアなど旅を続けるのだが、鍵が閉まらないので、ガムテープをメタメタに貼り付けたスーツケースを持っての無様な旅、
   そのバッグの中に、自宅の玄関の鍵を入れてあったので、夕刻帰ればたちまち困るので、事務所に電話して、鍵の取り替えを依頼した。
   海外旅行をするときには、何時も必ずスーツケースが側にあると思うのは間違いだと心しておくことである。

   事前に知っていたので、被害に遭わなかったイタリアでのケース。
   ミラノのドウモに入るときに、後ろから押す若い男女がいて、背中に白い泡のスプレイを吹きつけ、汚れているから綺麗にしようと言って、服を脱いで拭って貰おうとしたら財布を盗みとられる。
   スペイン風の男が近づいてきて、今日初めてなのでローマはよく知らないと話しかけてきて話し込んで居るうちに親しくなって飲食店に行くと、最初は自分の店に連れて行って奢り、次の店で法外な料金を支払わせられる。
   ジプシー風の子供数人が、段ボールの板を前に押し出して近づいてきて、その段ボールをカモフラージュにして手荷物を略奪して逃げるケース。等々
   在外日本公館から警告されていた判で押したようなケースであって、それでも、日本人が沢山被害に遭っていた。

   スペインのマドリードでも、エスカレーターで上っている長女のバッグを執拗に引っ張って取って逃げようとしたジプシー少女が居たし、ポルトガルのリスボンでは、町の人が近づいてきて、カメラをしっかりと首に掛けて前でホールドせよ、昨日引っ取られて転倒して大怪我をした観光客がいたと注意されたことがあった。

   もう一つ、香港でのことだが、横断歩道を渡っていると、信号を無視してタクシーが一気に突っ込んできて、私と友人がタクシーの前を押さえていると車道に居た香港人も加勢してくれて事なきを得たが、タクシーの運転手とその加勢した香港人が結託していて、友人の後ろポケットに入れていた財布とパスポートがが盗まれてしまった。

   まだまだ、いろいろあるがこのくらいにしておこう。
   随分、世界中を駆け回っていた割には、被害が少ない方だと思うが、楽しいことばかりではないのである。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする