プロジェクトシンジケートの最新論文
ニューヨークの名門校ニュースクールの国際問題教授ニーナ・L・フルシチョワの論文「The Kremlin’s Suicidal Imperialism クレムリンの自殺的帝国主義」が興味深い。
尤も、プーチンの自殺的な帝国主義がが失敗に終りつつあると認めつつ、微妙な問題なので、ハッキリと論述していないのが限界だと思うが、ロシアの現状を言い得て妙なので紹介しておきたい。
まず、掻い摘まんで要約すると、
ソビエト連邦が崩壊して以来、プーチンは、ウクライナの 4 つの地域が現在ロシアであると宣言した。
かつて、共産主義が人類を帝国主義者の搾取から救うと考えられていたように、ロシアは今や、国々を西側の属国に変える「新しい植民地主義」にさらされないようにする権利を擁護する責任があるとして、プーチンのロシアでは、まさに、戦争は平和であり、奴隷制は自由であり、無知は力であり、主権国の領土を不法に併合することは植民地主義と戦うことであるとしている。
プーチンは、併合されたドネツク、ルハスク、ヘルソン、ザポリージア地域が、エカテリーナ 2 世によってロシア帝国にもたらされたノヴォロシア (新ロシア) の一部であったことから、歴史的な不正を正していると考えている。 西側、特に冷戦以降、資源を奪い、行動を指示してきた米国に対して、世界を代表して立ち向かっていると考えている。
プーチンは、彼の知的な英雄であるロシアの哲学者イヴァン・イリンに触発されている。したがって、彼はロシアの優越性に対するイリンの信念を反映している一方で、ロシアについて「嘘をつく」西側の指導者たちをゲッベルスと比較し、ウクライナでの彼の「特別な軍事作戦」を、国を「非ナチ化」する必要があるとして正当化しているのである。
ここ数週間、ロシアはウクライナ北東部で一連の軍事的敗北を喫している。プーチンは、ますます攻撃的なレトリックでそれを補っていて、ロシアが負けていることが明らかになればなるほど、プーチンはそうではないと強く宣言する。これが「圧政のパラドックス」で、国家が弱体化すればするほど、人々の基本的自由が奪われてゆく
すべてのロシア人がプーチンの物語を支持しているわけではない。
プーチンの側近も、最近の展開に特に興奮しているようには見えない。彼らは規律と従順を維持しなければならないことを知っいて、これはプーチン大統領のショーであり、皇帝の服がすべてではないかもしれないという提案は、刑事告発、または早すぎる死さえもたらす可能性がある。
これは、ロシアの専制政治のパラドックスの別の側面を示していて、すべての権限を 1 人の人物に集中させると、効果のない、または非生産的な政策の実施を許し、軌道修正のためのすべてのメカニズムを抑圧することによって、ガバナンスが弱体化し、政策の間違いを特定するなどしてリーダーに挑戦することは、すべてを危険にさらす。プーチンの顧問の誰も、ウクライナでの戦争がロシアにとって戦略的な惨事であると進言する可能性は低いし、キエフに進軍し、「ロシアの土地」を再統一するという当初の目的を、彼がすでに達成できていないことを彼らは指摘しないであろう。そして彼らは、国際社会が彼の最近の領土主張を決して認めないだろうとは説明しないのも、これは、プーチンが核爆破で覆い隠したいと望んでいる真実だからである。
いつの日か、ロシアの指導者は、特に経済のために、世界の他の国々との関係を修復したいと考えるであろう。そして、自発的に土地を放棄する国はほとんどなく、これらの違法に併合された領土は、進歩への高い障壁を形成している。
プーチンはロシアの擁護者として記憶されることを望んでおり、彼はこの観点から歴史の本に自分自身を書くことさえあるであろう。しかし、今日、多くのロシア人がウクライナでの彼の戦争から逃れているのと同じように、将来のロシアの指導者たちは、彼の帝国の遺産とそれが生み出すすべての問題を歓迎しないであろう。
ウクライナを舞台にしたNATOとロシアの熾烈な戦争、
実際はアメリカとの代理戦争だが、アメリカは後ろで暗躍しているだけだが、相手は、敵将自らが武器を取っているので、新冷戦と言えども危険度は極に達している。
これだけ誤算続きで、戦争が長引けば、いくら、側近が正しい情報を上げなくても、プーチンもロシアの負け戦を感知し得るはずだが、それさえ出来ないとすれば、プーチンの誇大妄想や世界観の欠如が如何に深刻か、宇宙船地球号の命運がかかっている。
日本人も、アメリカも、太平天国を決め込んでいるが、誇り高いロシアを窮地に追い込めば、ただの、窮鼠猫を食む状態どころか、大変なことになることを銘記しておくべきだと思う。
ニューヨークの名門校ニュースクールの国際問題教授ニーナ・L・フルシチョワの論文「The Kremlin’s Suicidal Imperialism クレムリンの自殺的帝国主義」が興味深い。
尤も、プーチンの自殺的な帝国主義がが失敗に終りつつあると認めつつ、微妙な問題なので、ハッキリと論述していないのが限界だと思うが、ロシアの現状を言い得て妙なので紹介しておきたい。
まず、掻い摘まんで要約すると、
ソビエト連邦が崩壊して以来、プーチンは、ウクライナの 4 つの地域が現在ロシアであると宣言した。
かつて、共産主義が人類を帝国主義者の搾取から救うと考えられていたように、ロシアは今や、国々を西側の属国に変える「新しい植民地主義」にさらされないようにする権利を擁護する責任があるとして、プーチンのロシアでは、まさに、戦争は平和であり、奴隷制は自由であり、無知は力であり、主権国の領土を不法に併合することは植民地主義と戦うことであるとしている。
プーチンは、併合されたドネツク、ルハスク、ヘルソン、ザポリージア地域が、エカテリーナ 2 世によってロシア帝国にもたらされたノヴォロシア (新ロシア) の一部であったことから、歴史的な不正を正していると考えている。 西側、特に冷戦以降、資源を奪い、行動を指示してきた米国に対して、世界を代表して立ち向かっていると考えている。
プーチンは、彼の知的な英雄であるロシアの哲学者イヴァン・イリンに触発されている。したがって、彼はロシアの優越性に対するイリンの信念を反映している一方で、ロシアについて「嘘をつく」西側の指導者たちをゲッベルスと比較し、ウクライナでの彼の「特別な軍事作戦」を、国を「非ナチ化」する必要があるとして正当化しているのである。
ここ数週間、ロシアはウクライナ北東部で一連の軍事的敗北を喫している。プーチンは、ますます攻撃的なレトリックでそれを補っていて、ロシアが負けていることが明らかになればなるほど、プーチンはそうではないと強く宣言する。これが「圧政のパラドックス」で、国家が弱体化すればするほど、人々の基本的自由が奪われてゆく
すべてのロシア人がプーチンの物語を支持しているわけではない。
プーチンの側近も、最近の展開に特に興奮しているようには見えない。彼らは規律と従順を維持しなければならないことを知っいて、これはプーチン大統領のショーであり、皇帝の服がすべてではないかもしれないという提案は、刑事告発、または早すぎる死さえもたらす可能性がある。
これは、ロシアの専制政治のパラドックスの別の側面を示していて、すべての権限を 1 人の人物に集中させると、効果のない、または非生産的な政策の実施を許し、軌道修正のためのすべてのメカニズムを抑圧することによって、ガバナンスが弱体化し、政策の間違いを特定するなどしてリーダーに挑戦することは、すべてを危険にさらす。プーチンの顧問の誰も、ウクライナでの戦争がロシアにとって戦略的な惨事であると進言する可能性は低いし、キエフに進軍し、「ロシアの土地」を再統一するという当初の目的を、彼がすでに達成できていないことを彼らは指摘しないであろう。そして彼らは、国際社会が彼の最近の領土主張を決して認めないだろうとは説明しないのも、これは、プーチンが核爆破で覆い隠したいと望んでいる真実だからである。
いつの日か、ロシアの指導者は、特に経済のために、世界の他の国々との関係を修復したいと考えるであろう。そして、自発的に土地を放棄する国はほとんどなく、これらの違法に併合された領土は、進歩への高い障壁を形成している。
プーチンはロシアの擁護者として記憶されることを望んでおり、彼はこの観点から歴史の本に自分自身を書くことさえあるであろう。しかし、今日、多くのロシア人がウクライナでの彼の戦争から逃れているのと同じように、将来のロシアの指導者たちは、彼の帝国の遺産とそれが生み出すすべての問題を歓迎しないであろう。
ウクライナを舞台にしたNATOとロシアの熾烈な戦争、
実際はアメリカとの代理戦争だが、アメリカは後ろで暗躍しているだけだが、相手は、敵将自らが武器を取っているので、新冷戦と言えども危険度は極に達している。
これだけ誤算続きで、戦争が長引けば、いくら、側近が正しい情報を上げなくても、プーチンもロシアの負け戦を感知し得るはずだが、それさえ出来ないとすれば、プーチンの誇大妄想や世界観の欠如が如何に深刻か、宇宙船地球号の命運がかかっている。
日本人も、アメリカも、太平天国を決め込んでいるが、誇り高いロシアを窮地に追い込めば、ただの、窮鼠猫を食む状態どころか、大変なことになることを銘記しておくべきだと思う。