【子どもに読ませたい本の紹介】 凍りの掌・・・シベリア抑留記(おざわ ゆき)

凍りの掌
クリエーター情報なし
小池書院


太平洋戦争の悲劇の中で、学校で学ぶ歴史の勉強の中であまり触れられない史実があります。しかしこの歴史のことは、日本人として忘れてはいけない悲劇のひとつだと私は思っています。それは満州の大地に残されていた人たちが、旧ソビエト連邦の捕虜となり、極寒のシベリアの地で想像もできない苦労をしたことです。今回紹介するマンガは、筆者であるおざわゆきさんのお父さんが経験した「シベリア抑留生活」のことを漫画としてはソフトなタッチで描かれていますが、内容的には心に迫ってくるものがあります。小学生の子どもが読んでもよい一書だと思いましたので紹介しました。ぜひ読んでみてください。

ちばてつやさんの推薦文にはこのようにあります。
「暖かく、やさしいタッチのマンガ表現なのに、そこには『シベリア抑留』という氷点下の地獄図が、深く、リアルに、静かに語られている。日本人が決して忘れてはいけない、暗く悲しい六十六年前の真実。次代を担う若者たちには、何としても読んで貰いたい衝撃の一冊。」


また、シベリア抑留のことについては、山崎豊子さんの「不毛地帯」を読むこともお薦めします。

不毛地帯 (1) (新潮文庫)
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新潮社
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モチベーションを上げるための話(授業ともいえる)

最近、子どもたちのモチベーションを上げるために、練習前に長めの話をするように心がけています。その理由は、辰巳ジャンプは練習時間が短く、最小の時間内に最大の成果を上げていかないと勝てるチームにならないからです。最大の成果を上げるためには、中身の濃い練習をしなくてはなりません。では中身の濃い練習をするためにはどうするか?それは「やらされている練習から、子ども自ら考え、自ら挑戦する練習にしていくことで可能となると考えています。そのために「モチベーション(動機づけ)」を大切にしています。こうした話をしようと思ったきっかけは、7月6日に柔道の全日本ジュニアヘッドコーチである大迫明伸さんの講演を聞いたことにあります。

大迫さんは全日本ジュニアのヘッドコーチに就任してすぐの合宿で、今の選手たちのメンタル面にショックを受けたそうです。日本一に輝いた選手でさえも人間としての基本ができていない。「挨拶」「返事」「集団のルール」ということができない。練習に遅刻する、アドバイスをしても返事さえできない、挨拶ができない。このような選手たちが世界に通用するとは到底思えなかったそうです。そこで、脳科学の要素を練習に取り入れた。メンバーのうち15%がやる気のないメンタル状態だったら、練習の空気がよどむ。なので、今日の練習はどういう意味があるのか、どんな姿勢で望むことが必要なのかをしっかり理解させ、練習に挑む空気をピンと張り詰めたものにしてから練習を始めたといいます。

では「挨拶」がなぜ大事なのか?

スポーツは自分一人で競技するのではない。必ず相手がいて、勝敗という結果が出る。こちらの働きかけによって、相手がどのように対応してくるのかを“読む”必要がある。実は挨拶や返事も同じである。自分がした挨拶によって、相手がどんな気持ちになるのか、相手がどんな反応をするのかということを心得て(読んで)挨拶をするのである。自分がした挨拶によって、相手の気分良くなったら自分の勝ち。なにも反応が引き出せなかったら自分の負け。こういう小さな一歩からスポーツの勝敗が決まっていくのだ。これが大迫さんの意見でした。(大迫さんの講演内容は、公開しているメモマインドマップにまとめてあります。文章化はしないので、くわしく知りたい方は私に声をかけてください。)

私も同感しています。


今日の練習前には、こんな話をしました。

(1)創造力・想像力をつけるためには「知識」をできるだけ多く頭に入れていくことが大事だ。だから読書をする必要がある。

(2)頭を良くする方法がある。調べたり考えたりしたこと(インプット)を「人に分かりやすく伝える(アウトプット)」ことで、100%の知識になる。

(3)試合の中で、相手が怖がるくらいの「気迫」を表現したい。気迫で相手に勝っていこう。

(4)1972年のミュンヘンオリンピックで金メダルをとった全日本男子チームには、外国の選手から見たら怖くてバレーボールができなくなるような気迫の表情を見せる選手がたくさんいた。そんな気迫を辰巳ジャンプも持ちたい。


また、子どもたちには紹介しませんでしたが、ある子のノートにはこのようなことを書きました。

「『面白い』ということと『楽しい』ということは似ているけれども大ちがいです。楽しいということは苦しい練習を乗り越えて、自分の思うようにバレーボールができるようになったら感じられること。そのために気迫を持って、自分に厳しく練習をすることが大事です。」



今の辰巳ジャンプの子どもたちは本当に素直+頭が良くて、私がひとつ教えると、その何倍も考えて工夫して、練習に生かしてくれます。


みんなみんな優秀な子になるんだよ!

自分の頭で考えて、自分にとって大事なことは何なのかを判断して、分かりやすく表現できる人間になるんだよ!

そしてチーム(世界)のみんなを幸せにしていけるリーダーになるんだよ!

これが私の願い(祈り)でもあります。
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指導をすべて受け止めようと努力する子ども=指導者にとっては救世主

先週の土曜日は午後から5時間の練習を行なった辰巳ジャンプ。その5時間練習の中で、私が語ったことを思い出しながら、すべてノートに書いてきた子がいました。レフトのアタッカーです。毎回の練習前に提出させている「練習ノート」を開いた瞬間、思わずつぶやいてしまいました。「なんだこれは!すごいな!」と。

私の指導、全部で52項目を箇条書きにしてきたのです。それをここに書き残しておきます。チームのみんなも読んで勉強して下さい。
(書き取れなかった部分を本人がコメント欄に書いてくれたので、再掲載します)

(1)目の前を通るようにスイングする
(2)自分の足に動けと言い聞かせろ!!
(3)自分に甘い人がコートの中にいるとボールが落ちる
(4)「率先垂範」とは先頭に立って模範となること
(5)ドライブは手首
(6)左右はサイドステップで動け!!
(7)後ろ向きにさがらず、半身で走れ!!
(8)体育館に踏み出す一歩で今日は決まる
(9)「あいさつ」&「返事」をガンガン
(10)苦しい時は私の背中を見なさい→先頭に立っている
(11)カバーのスパイクはまっすぐ!!
(12)一歩目の足で判断しろ!!
(13)背中は向けない!ひねらない!
(14)左手は右肩の前!!
(15)足音を出してふみこみしろ!!
(16)かぶって打つな!!
(17)クロス打ちの練習!ストレート禁止!!
(18)半身で打たない!!
(19)左手が横だと力が入らない!!
(20)最後は手首で!!
(21)おすだけだとアウトになる!!
(22)スパイクカットはしぼれ!!
(23)人のいない所に打て!!
(24)人のいないところを埋めろ!!
(25)決めに行け!!
(26)ネット(アンテナ)外のボールは動けば簡単に返せる!
(27)自分にきびしくしろ!!
(28)カバーに走れ!!
(29)左ができても右ができなければダメ!
(30)あんだけ負けて泣いているのにボールに向かおうとしない!
(31)負けて悔しくないのか?!
(32)今日出来るようにならなかったら明日もおなじだよ!
(33)ひざが使われていない!!
(34)サーブミスが多い!!
(35)クロスの手は親指からスイング!
(36)ボールにかぶさる感じ
(37)トスが低いのにあごを引かない
(38)声、返事が出来ない人がコートにいても意味がない
(39)対人、トレーニングから全力でやるかどうか
(40)強い気持ちでコートに入れ!!
(41)手だけ出さないで足を動かせ!!
(42)自分の事だけでなく周りも見ろ!
(43)肩を入れてしぼれ!!
(44)自分の力の半分で打て(ナナコ)
(45)大きい声を出さないからねらわれるんだ!!
(46)集中攻撃されて負けたのに悔しくないのか??
(47)1,2,3ではない声かけをしろ!!
(48)パスする人に指示を出せ!!
(49)打点を高くしろ!!
(50)横からスイングするな!!
(51)ひじがさがったら強く打てない!
(52)プロの人はひじをさげて打たない!


よく記憶しているものですね。練習中に私がしゃべった言葉を思い出せる限り書いてみたそうです。自分以外の人へのアドバイス・叱咤・激励、すべてを聞き取り、自分のものにしてしまうのが、この子の人より一歩秀でた能力です。1回の練習中に私がこんなに指導をしているのだと驚きましたが、それ以上に、すべて記憶してくれる子どもがチームにいることが誇りです。
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