夢みる小学校を鑑賞して

夢みる小学校 予告編ロングヴァージョン


3連休初日。
予定通りにシネスイッチ銀座で放映されている、映画「夢みる小学校」の鑑賞に行った。
期せずして、映画監督らのトークショー付きだった。
映画監督のオオタヴィンさん、文化人類学者の辻信一さんの二人。

夢みる小学校サイト

南アルプス子どもの村小学校・中学校サイト

鑑賞して、いろいろなことを考えさせられた。
最も印象に残った点は、「子どもの力を信じる」というキーワードであった。

以下は私の試練になる。
日本の公教育は、決められたカリキュラムによるしばりが厳しく、学校独自の教育を行うには、ものすごく高いハードルを越えていかなくてはならない。
それなのに、校長も副校長も、さらには教員も、3~6年間で他校に異動しなくてはならない。
せっかく成果があがった教育活動をしていても、校長が何代か入れ替わると、その成果は失われてしまう。
最近の例でも、目覚ましい成果をあげたかに見えた、公立中学校があったが、校長が変わると見向きもされなくなる。
こうしたことを私自身、10年前からどうしたものかと考え、ある私立中高学校で、キャリア教育に特化した成果を上げ、一気に名門校になっていった校長に直接、次のような質問もしたことがある。
「私立学校では特色のある教育活動を展開して、先生の学校のように、学校の新しい伝統として根付かせることができるが、公立の小中学校では、校長が替わるたびに学校カラーが変わってしまい、その学校の伝統が根付いていかない。どうしたら公立学校で、永続的な学校の伝統を築いていけるでしょうか。」
その答えとして、
「おっしゃるように公立学校の教育は、教員の激しい異動があるため、学校独自の特色を継続していくことが難しいと思います。そこで考えられるのは、学校に教育的伝統を残そうとするのではなく、地域に根付かせるということをしたらよいのではないでしょうか。地域コミュニティの力を学校経営に活かすことができれば、地域が学校の伝統を守っていくことでしょう。」

今日の映画で見たのは、学園長、堀 真一郎さんが創り上げてきた、ニイル(イギリス)の教育理念に基づく自由学校であった。
ニイルの教育理念の根幹は、「教育の目的とは子供の幸福である」という私自身の教育理念とまったく変わらない。
教師から見た良い学校ではなく、子供が感じる良い学校を、公立小学校でも作ることができないものだろうか。
それを探し出すための令和4年度となることが、今日の映画鑑賞で決まった。
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