毎日パリオリンピック各競技のスポーツドラマがテレビ放映されている中で、バドミントン女子ダブルス銅メダルを獲得した志田千陽さん、松山奈未さんもまた注目度をあげたペアでした。放映の中で、志田選手の座右の銘が「コツコツが勝つコツ」だということで、私の記憶に刻まれたひと言でした。調べてみると、この「コツコツが勝つコツ」の発信源は、タレントでマラソンランナーの森脇健司さんだということでした。コツコツと努力を重ねることが勝つためのコツであるという意味では、小学生バレーボールの指導ワードのひとつに加えてもよいものだと思いました。明日の練習で指導しようと思っています。
今、毎日練習しているので、瞬間的にというか、突然というか、「うわっ!すごいことができたな。」と、劇的に技術が伸びる子がいます。その伸び方は「劇的」と表現したとおり、指導していて驚くほどの成長なのです。子供本人も「できちゃった!」と感じていると思います。ところが、それは瞬間的なものなのです。人間にはコンフォートゾーン(安心地帯)というものがあって、突然すばらしいプレーをしてしまうと、嬉しいのですが、無意識の領域では「これは自分ではない」という働きが生じて、自分にとって違和感のない、元のヘタなプレーに戻ろうとしてしまいます。今日もサーブの個別指導をした時には、これまで打ったことのないものすごいサーブを打ち出した子が4人いました。そのままの打ち方を続ければよいのに、コンフォートゾーンにもどるという脳の働きが出てきて、試合練習をするときには元のミスしやすいサーブに戻っていました。
このようなことを打ち破るために、「コツコツが勝つコツ」という言葉は有効だと思いました。ミスしやすいフォームで打っているこれまでのサーブを、高いレベルのサーブに変えるためには、コツコツとたくさん練習して、コンフォートゾーンを高いレベルに動かさなくてはなりません。その高いレベルでコンフォートゾーンが安定してくれば、緊張する試合の時にも、ミスすることなくたくさんのサービスエースを取れるようになるでしょう。
ちなみに今日、私が指導したサーブの打ち方は、小学生バレーボール界の名監督として有名だった方で、男女チームとも日本一に導き、日本小学生バレーボール協会指導普及委員長として、全国の指導者に惜しみなく指導方法を伝える活動もされ、数年前にお亡くなりになられた江戸川区の小岩クラブ、原淳司先生の教えを応用させていただきました。
昨年度の全国大会決勝戦の動画にリンクしてあります