地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

第三ジャカルタ炎鉄録 (8) エコノミー客レ

2011-08-27 09:29:00 | インドネシアの鉄道


 イスラーム暦の一年で最も目出度い一日であるレバラン(断食明け。アラビア語でイード・アル・フィトル)まであと2日(たぶん。正式には月の満ち欠け具合を高位ウラマーが判定して決定されるそうです)。そこで、ジャカルタ市内のバザールやショッピングモールでは、日本の年末商戦と同様の凄まじい売った買ったの阿鼻叫喚で盛り上がっているようですが、それ以上に混沌の度合いを極めているのが鉄道駅……。今朝のネット版『じゃかるた新聞』を見ておりますと、山のような荷物を担いだ帰省客がパサール・スネン駅のホームにあふれ、到着した非冷房エコノミー客車列車に我先に乗り込もうと壮絶な押しくら饅頭が展開されているという……。パサール・スネン駅の日常はといえば、古風な上屋に覆われた、ピカピカな石張りの広々としたホームに、長旅を控えた客が三々五々腰を下ろしてまったりしているというものですので、いや~余りの雰囲気の違いにはネット越しでも仰天 (^^;)。
 まぁ、むかし中国でバックパッカーをやり、緑皮車・硬座・長時間という三重苦揃った旅を何度もしたことがある立場からみますと、ドアに殺到する客の気持ちが分からなくもありません。たとえ自分の席が指定されているとしても、網棚の面積は極めて限られていますので、もし網棚をゲット出来なければ列車が進むごとに汚れて行く床に自分の荷物を置かなければならないという……。



 それでも、客レは腐っても客レ。たとえ乗降時にはカヲスな光景が展開されても、いざ列車が走り出してしまえば心地良いジョイント音とブレーキの作動音が子守歌になり、まぁ何とかなってしまうものです (笑)。そしてインドネシアの非冷房客車について申しますと、たとえ車体デザインがビミョーに異なり、「何でこんなにマスキングが面倒な塗装にするのだろうか?」と思える派手目な塗装であろうとも、1067mm軌間のレールの上を20m車体が走るということで、日本や台湾の旧型客車に通じる親しみをどうしても禁じ得ないものであります……(*^^*)。
 というわけで、今日はそんなインドネシアの非冷房・ボックスシート客車をアップしてみましょう。いずれも滞在最終日に東線にて撮影したものですが、1枚目は中部ジャワのテガルから来た急行「テガル・アルム」がジャカルタ・コタへラストスパートするシーン。食堂車兼電源車を組み込んだ堂々たる長大編成です……。2枚目はバンテン州都・ランカスビトゥンから来た客車鈍行が終点のパサール・スネンへ向かうシーン。3両目の塗装が異なりますが、これはここ数年以内に製造された改良版エコノミー客車でして、通常はタナ・アバンとランカスビトゥンの間を速達する急行「バンテン・エクスプレス」に使用されています。しかしこの日は何故か1両が鈍行に組み込まれ……乗り合わせた人はラッキーなこと間違いなし (?!)。もっとも、日本でいう「グリーン車格下げor開放車」ほどデラックスであるわけではなく、単に車内が明るくキレイであるかどうかの違いでしかありません (笑)。
 今回の滞在では、是非エコノミー電車だけではなく、こんなエコノミー客車の旅を体験してみたい……と思いまして、あるスペシャルな旅に出かけたのですが……ある意味で極めて凄惨な (笑) その模様につきましてはまた改めて……(^^;