地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

ハノイ以北サウナ鉄 (8) ハロン線のトロい旅

2016-07-18 18:00:00 | ベトナムの鉄道


 清々しい青空の下の旅……しかし猛烈に蒸し暑い (@o@;)。



 ランマウ (蘭苗) 駅にて数分停車。忙しく激写してヘロヘロ。



 マオケ (毛渓) 駅では長時間停車。サトウキビジュース激ウマ!



 ウォンビ (汪秘) 駅で列車を降り、ハロン待ち伏せ作戦へ。

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 あっという間にベトナムとんぼ帰り旅も1ヶ月以上前の話となり、多忙にかまけてアップも後手に回ってしまいましたが (滝汗)、記憶が薄れないうちに備忘録の続きを……というわけで、ハロン線の行商列車がケップ駅でスイッチバックしてハノイ~ドンダン本線と別れてからの記録です。
 ハロン線に一歩進むと、それまでの三線軌条は終わり、純粋に標準軌のレールの上を進むことになりますが、ベトナム国鉄はハロン線の三線軌条化を進めており、途中駅の空きスペースには三線軌条用のコンクリート枕木が堆く積まれる風景が展開するようになります。要するに、三線軌条化の完成はまだまだ先ということですが、少なくとも工事自体は進んでいるということで、遅くとも3~4年後には完成するのではなかろうか……と。多分そのときが、満鉄客車の終焉の時となることでしょう。
 そんなことを思い、感傷に耽りつつ、今はすっかり平和で実り豊かな北ベトナムの田園風景を眺め、重厚なジョイント音に浸る……ということであれば良いのですが、とにかく車内は蒸し風呂! かといってデッキに出ると、外国人がここで転落されては困るというわけで、車掌氏が優しく「車内に戻ってネ」というジェスチャーをします。というわけで、行商客車 (Cクラス) しか連結されていない本日の道中、とりあえずロングシート部分に座ってじっとりと汗を流しつつ、忍の一字で走行音に集中し、やがて数分停車するランマウ駅に到着~。あちこち駆け回りながら、列車の表情を激写しまくりました・・・。直射日光が鬼のように強烈ですが、どのみち車内にいても蒸し風呂。撮り鉄にとっては激写して討ち死にしてナンボというものです (笑)。
 こうしてそれなりの激写の成果を得て、車内に戻るとあらびっくり……。それまでは客がほとんどいなかったロングシート部分は、ハロンまで一族郎党揃ってお出かけという雰囲気の大家族に占拠され、しかもオバチャンの声が壮絶にデカい……(-_-;;)。しばらくはじっと耐えていたものの、やがて音を上げざるを得ず (滝汗)、一応人が一杯気味な旧食堂車部分も何とか1人余計に座るだけのスペースがありましたので、そちらへ移動したのでした。食堂車部分の客は多くがグッタリしてテーブルに伏しており、何とも凄惨な光景です (^^;)。満鉄ハ5客車は窓が少なく、行商部分・食堂車部分・調理室部分で仕切られた車内は本当に風通しが悪い……。
 というわけで、最早長時間停車で外に出るタイミングのみを待ち焦がれる身となりまして、貨物扱いがあり得るため約30分停車するマオケでは、鉄板焼き状態のホームの上で大はしゃぎで撮りまくったのでした (笑)。そして、客車の影になる駅舎側ホームで営業しているサトウキビジュースの屋台 (単純に絞った汁を氷入りコップに入れるナチュラルドリンク♪) に飛びつき、美味い!美味すぎる!! この屋台は停車時間中、車内でも営業しており、死んだような表情の地元客もこぞって買い漁って生き返った表情になっていました (笑)。しかしまぁ……暑さに慣れているはずのベトナム人でもウンザリな暑さって何なのか……。あるいは、経済発展でクーラーに慣れきったベトナム人が酷暑に耐えかねるという、とんでもない時代のうねりが訪れているのかも知れません (^^;
 やがて列車は、大型トラックや豪華冷房バスがガンガン行き交う国道18号線と並行するようになり、クアンニン (広寧) 省西部の主要都市であるウォンビに到着~。とは言っても鉄道駅とその周辺は鄙びた雰囲気 (^^;)。ここで列車を降り、ミニバスで列車を追い抜いてハロン駅到着シーンを望遠系レンズで撮る作戦に打って出ることにしたのでした。既にハロン線は完乗していますので……。