~あらすじ~
法では裁けない悪を完全犯罪で叩き潰す「完全犯罪請負人」の黒羽烏由宇。
だが彼は何者かにビルの屋上から突き落とされ、一命は取り留めたものの肉体を離れた幽霊になる。
そして「完全犯罪請負人」に両親を殺された少女と出会うが、両親が殺された時、烏由宇は既にビルから落とされていた。
真犯人を追い、現世に干渉できない幽霊と、まだ何者でもない少女は手を組む。
2024年このミス4位、文春9位、本ミス7位
~感想~
大きな括りではもちろん本格ミステリだが、SF・バディ・成長譚・タイムリミットサスペンスと山ほどのジャンルが積み上がる。
そのうえミステリとしても名探偵・怪人・見立て・密室とあらゆる要素を網羅するように混ぜ合わせ、しかも真相を追うのは抜群の推理力を持ち幽霊の特性を活かして空を飛び壁をすり抜けられる男と、無力だがめきめきと成長を見せる女子小学生のバディである。
デビュー作にして鮎川哲也賞の「時間旅行者の砂時計」は多ジャンルと多要素を詰め込みすぎて窮屈かつ不釣り合いになってしまい、面白そうなことをやっているが本領発揮は数作後だろうと思っていた作者だが、それから5年経ち、小さくまとまるどころか詰め込みをさらに上乗せする方向に行っていた。いいぞもっとやれ。
当初の目標が片付いたのにまだまだページも謎もたっぷり残り、まるで止まったら死んでしまうかのように推理と伏線で奥へ奥へ底へ底へ掘り進み続け、やりすぎながら楽しい本格ミステリに昇華させて見せた。
幽霊と少女のバディ物という引きが強く、まず間違いなくアニメ化か何かメディア化はすると思うが、一般向けとはかけ離れた通好みの凝りに凝った盛りだくさんの本格ミステリである。
25.1.26
評価:★★★★ 8
法では裁けない悪を完全犯罪で叩き潰す「完全犯罪請負人」の黒羽烏由宇。
だが彼は何者かにビルの屋上から突き落とされ、一命は取り留めたものの肉体を離れた幽霊になる。
そして「完全犯罪請負人」に両親を殺された少女と出会うが、両親が殺された時、烏由宇は既にビルから落とされていた。
真犯人を追い、現世に干渉できない幽霊と、まだ何者でもない少女は手を組む。
2024年このミス4位、文春9位、本ミス7位
~感想~
大きな括りではもちろん本格ミステリだが、SF・バディ・成長譚・タイムリミットサスペンスと山ほどのジャンルが積み上がる。
そのうえミステリとしても名探偵・怪人・見立て・密室とあらゆる要素を網羅するように混ぜ合わせ、しかも真相を追うのは抜群の推理力を持ち幽霊の特性を活かして空を飛び壁をすり抜けられる男と、無力だがめきめきと成長を見せる女子小学生のバディである。
デビュー作にして鮎川哲也賞の「時間旅行者の砂時計」は多ジャンルと多要素を詰め込みすぎて窮屈かつ不釣り合いになってしまい、面白そうなことをやっているが本領発揮は数作後だろうと思っていた作者だが、それから5年経ち、小さくまとまるどころか詰め込みをさらに上乗せする方向に行っていた。いいぞもっとやれ。
当初の目標が片付いたのにまだまだページも謎もたっぷり残り、まるで止まったら死んでしまうかのように推理と伏線で奥へ奥へ底へ底へ掘り進み続け、やりすぎながら楽しい本格ミステリに昇華させて見せた。
幽霊と少女のバディ物という引きが強く、まず間違いなくアニメ化か何かメディア化はすると思うが、一般向けとはかけ離れた通好みの凝りに凝った盛りだくさんの本格ミステリである。
25.1.26
評価:★★★★ 8