~あらすじ~
モディリアーニやスーチンら、悲劇的な生涯を送ったエコール・ド・パリの画家たちに魅了された、有名画廊の社長が密室で殺される。
事件の鍵は被害者の書いた美術書の中に?
~感想~
デビュー作「ウルチモ・トルッコ」では禁断の「読者=犯人」ネタに挑み、全体を緻密な構成と確かな筆さばきで包み、一発ネタらしからぬ丁寧なつくりを見せてくれたが、今作ではその構成力がさらに増した。
トリックにしろプロットにしろ、長所はとりたてて挙げるところはないが、伏線の回収技術だけで秀作に仕上げているのが見所。
まさに伏線回収の鬼というべき徹底ぶりで、全体に張りめぐらされた細い糸をするすると巻き取っていく様はクロースアップマジックを見ているよう。
作中作の「エコール・ド・パリ論」は美術に興味がなくとも単体で楽しめ、地味ながら間口の広い作品であろう。
一発ネタだけではない作家だと思っていたので、この期待にたがわぬ飛躍は個人的にうれしい。
08.2.22
評価:★★★☆ 7
モディリアーニやスーチンら、悲劇的な生涯を送ったエコール・ド・パリの画家たちに魅了された、有名画廊の社長が密室で殺される。
事件の鍵は被害者の書いた美術書の中に?
~感想~
デビュー作「ウルチモ・トルッコ」では禁断の「読者=犯人」ネタに挑み、全体を緻密な構成と確かな筆さばきで包み、一発ネタらしからぬ丁寧なつくりを見せてくれたが、今作ではその構成力がさらに増した。
トリックにしろプロットにしろ、長所はとりたてて挙げるところはないが、伏線の回収技術だけで秀作に仕上げているのが見所。
まさに伏線回収の鬼というべき徹底ぶりで、全体に張りめぐらされた細い糸をするすると巻き取っていく様はクロースアップマジックを見ているよう。
作中作の「エコール・ド・パリ論」は美術に興味がなくとも単体で楽しめ、地味ながら間口の広い作品であろう。
一発ネタだけではない作家だと思っていたので、この期待にたがわぬ飛躍は個人的にうれしい。
08.2.22
評価:★★★☆ 7