軍事企業「ワグネル」の創始者エフゲニー・プリゴジンがベラルーシを離れ、現在サンクトペテルブルクに滞在していると、ルカシェンコ大統領が記者会見で述べた。
ワグネルは法的にはロシア国内では犯罪者である。戦果を高く評価したプーチンの判断で、同盟国のベラルーが引き取ることで、一件落着したはずである。その首謀者が、のうのうとロシアに戻っていては恰好が付かない。国家の最高機関のジョイグ国防相、ゲラシモフ参謀総長を強く名指しで非難した男の反乱である。
ロシアのニュースサイト「フォンタンカ」によると、プリゴジンが4日にサンクトペテルブルクにあるロシア情報機関「連邦保安局」(FSB)の事務所を訪れ、反乱に伴う自宅などの捜索で押収された物の返還を受けたと報じている。押収された現金約100億ルーブル(約160億円)も返還されるとのことである。
なんとも締まりない話である。政治的に利用価値がある間は、プリゴジンをこのように扱っているであろう。政権側は認めてはいないが。自宅に戻った兵士もいるようであるが、ベラルーシ国内では今のところ厚遇されているとのことである。
ロシアには法律があっても、独裁者の胸先三寸である。犯罪者を自在に操る。
プリゴジンは数年後には、ロシアにもベラルーシにもいられなくなるだろう。数百億円を懐に国外に逃亡するであろうが、いずれはプーチンかその配下の者たちに殺害されることないなる。
それがロシアの政治文化である。