安倍首相が、「国のために死んだ英霊に尊崇の念を示し、不戦の誓いを立てるため」靖国神社に参拝したと、その理由の説明を繰り返す。不戦の誓いを立てたものが、戦力の増強をするか。並べる言葉とやっていることが、全く逆である。
中国と韓国の反発は予想したかもしれないが、アメリカの”失望”した行為であり、アメリカの国益に反するとの反応は予想以上だったであろう。世界各国の反発は暇がない。EUもロシアも国連事務総長も反対や懸念を表明し、イギリスの日中大使が、ハリーポッターの悪役を引き合いに出して応酬するさまは滑稽ですらある。
今日(9日)は、中国の国連大使が動向を見て、勝ち誇ったように日本向けではなく世界に向けてパフォーマンスをするようになった。早い話が、世界中誰も安倍の言い分など聞いてはいない。
欧米のWeb新聞を見ていると、多くのメディアが靖国神社の紹介に”War Shrinne”即ち”戦争神社”と紹介している。大雑把な言い方とは思えるが、概ね正しい。
安倍は多くの遺骨が納められている、千鳥ヶ淵の慰霊には興味を持たず、合祀という名で紙切れ一枚が祀られている、靖国神社へひたすら向かう。靖国神社は、軍国教育の元で徴兵されて国の犠牲になった兵士の、戦争への精神的支柱であった。彼らの多くは農民で、餓死や自決や無謀な死が多く、英霊などと呼ばれる存在ではない。
1978年に、厚生省の官僚と時の管主の判断で、A級戦犯が合祀されて以来、天皇も参拝を止めている。お人よしの日本人は、これほど首相が言うのだからと、参拝を容認する人も出てきている。
不戦の誓いをした人物が、平和憲法を見直そうとか、戦争に不可欠の治安維持法になぞらえた特定秘密法などを立法して、武器輸出を容認してNSCを作ったりするか!