そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

正確に何度も”誤爆”を繰り返したアメリカ空軍機。誤報を装ったもので誤爆などではない

2015-10-07 | 戦争
アフガニスタン北部クンドゥズの「国境なき医師団(MSF)」病院への、アメリカ軍の爆撃事件(3日未明)の内容が次第に明らかになってきた。MSFの医師、看護師らスタッフ12人、患者10人が死亡、子ども7人を含む37人が重傷で、うち19人がスタッフであるとMSFが発表した。
MSFはすべての紛争当事者に、GPSの正確な位置情報を通知してるのに、なぜアメリカ軍に誤爆されたと声明を出している。MSFなどの話によれば、その時は上空で爆撃機が何度も旋回し、繰り返し空爆を行ったとのことである。更にかなり激しい爆撃にもかかわらず、病院周辺の建物にはほとんど被害が及んでいなかったのである。明らかな狙い撃ち攻撃である。
アフガン駐留アメリカ軍は「アフガン軍に脅威を与える複数の個人をターゲットに空爆は行われた。近くにある医療施設に巻き添え被害を与えた可能性がある」と誤爆を認めたが、現場の事情と大きくかけ離れている。オバマも当初は渋った誤爆を認めてはいたが、謝罪は一言もない。
国連アフガン特別代表や赤十字国際委員会は「ぞっとする悲劇だ。医療従事者や医療施設への攻撃は、アフガンの人々を支援する人道組織の能力を損なうものだ」「人道に対する破壊だ。国際人道法に違反している」と空爆を激しく非難している。医療施設や医療従事者への攻撃は国際人道法で禁じられているが、謝罪もしない誤爆の原因究明もないアメリカ軍は、当初この病院がタリバンの基地になっていると説明していた。
MSFは「アフガン政府軍とアメリカ軍の声明は、タリバンのメンバーが病院内にいると主張して、このスタッフと患者180人がいるフル活動の病院の壊滅を、共同して決めたことを示している」と非強く非難した。
この空爆は誤爆などではなく、誤報による正確な空爆なのである。

28日から激しい戦闘が起き、「市街地で激しい戦闘が起きたあと、クンドゥズ州のスタッフは数十人の負傷者を手当しています。早朝から102人の負傷者を収容しており、もう手一杯です。うち36人が頭や腹を負傷しており、重体です。外科医は銃撃された患者をノンストップで治療しています。ベッドを増設して前例のない状況に対応しています。2日間で171人を治療しましたが、うち46人が子供でした」
「28日の朝、叫び声や砲撃の音が増える中、クンドゥズ州の病院に来た。昼までに私たちの病院は最前線になった。砲撃やロケット、飛行機の音が聞こえる。銃弾が病院の中に飛び込んでくる。集中治療室の屋根を突き抜けてくる銃弾もある。それでも普段通り、治療を継続した」とクンドゥズ州の外傷病院を率いる医師はブログに綴っている。(木村正人氏の記事より)
当病院は80人のMSFスタッフが働いており、28日から2日間で、90件の外科手術をし171人の治療に当たり、昼夜を分かたぬフル回転であったとのことである。また、アメリカ政府はアフガニスタン政府の要請によるものと、言い逃れようとしている。MSFは第三者の貯砂を要請している。

北部クンドゥズ州に対して、一年前からタリバンが攻勢をかけている。NATO特殊部隊とアメリカ軍の空爆の支援を受けて、政府軍が掃討作戦を行っている地域である。また戦争ではなくテロ掃討作戦であるから、兵士を守るジュネーブ協定にも抵触しない。しかし、CNNは戦争犯罪事件であると報じている。
MSFは施設が破壊されたことで、全スタッフの撤退を決めている。アメリカの正確な、”誤爆”はさらなる悲劇をアフガニスタンにもたらしたと言える。
日本は今後こうしたアメリカの非人道的戦闘地でも、「後方支援」なるものを自衛隊にやらせるようになるのだろう。かつての平和国家日本は崩壊し、恥ずかしい国家になって行く。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

羅臼港

春誓い羅臼港