そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

南シナ海の中国の内政問題のはけ口である

2015-10-29 | 中国
この図を何度も見ているが、どう見ても中国のやり過ぎとしか思えない。国家の存立には歴史的な経過があるものだ。海洋国家は陸上の出来事に疎く、陸上に主力部隊がある大陸国家は海戦には弱い。日露の日本海海戦がいい例である。海洋国家は大陸の戦いに弱いものである。大陸国家は海洋には無関心であったともいえる。海洋に出る必要性が無かったとも言える。この南シナ海のそれぞれの国家が主張する海洋上の国境線は、いかにも中国にとって不自然な巨大な国境線といえる。
現在中国と一般的に呼ばれている、中華人民共和国はアヘン戦争時代に遡って、国家の威信の回復を模索ているかと見える。中国の国家の威信とは、漢族のものである。満州族・モンゴル族・ウイグル族やカザフ族など・チベット族・それに台湾の先住民を除いた漢族の威信を取り戻そうとしているのである。
中国周辺の中程度の国家は、手も足も出ない状況といいえる。アメリカが艦船送って威圧行動をしていているかのようにも見える。しかし、詳細に見ればアメリカは岩礁に人工の構造物を建設しているところは微妙に避けて、航行をしているのである。フィリッピンやマレーシアなどにアメリカを支持させるための、政治的な示威行動である。
日本の安倍政権にとっては、集団的自衛権必要論を引き出す格好の出来事である。日本が中国と韓国を徹底的に無視して、刺激し続けた安倍晋三の思惑にも重ねることもできる。
アメリカは中国に苦言は呈することはあっても、対立することは決してない。疑似対立は冷戦時代の比ではない。何の交流もなく、ピンポン選手に混ざって国交回復のための人物を送った冷戦時代とは全く異なる。世界第一位と二位の、アメリカと中国は経済的にも文化的にも強いパイプがある。軍事的対立を演じなければならないのは、政治的パフォーマンスである。
そのアメリカであるが、現在の中国の行動に対して、このような侵略行為を指摘する資格などない。アメリカは、中南米の国家の全てを、CIAなどを暗躍させて思うように操っていた。中南米からはあらゆる利権を吸い上げて、強大な国家を築き上げてきた経緯がある。それに比べればかわいいものである。
日本が沈みゆく沖ノ鳥島に岩礁保護ブロックを建設した時に、中国は強く抗議している。中国の今回の岩礁の人工物の建設は、日本の岩礁のブロック保護にヒントを得たものではないかと思われる。そもそも、急に人工物など建設されたものではなく、一定の経過時間があり、アメリカも日本もそれは掌握していたはずである。フィリッピンやベトナムの強い抗議は無視していながら、問題が大きくなってからのアメリカの威圧航行である。政治的利用としか思えない。
とはいえ、中国のこのような傍若無人な海洋進出を許すわけにはいかない。現代では武力による威圧や対抗では、問題は解決することはない。まるで安保関連法案があればこんなことを中国はやらなかったとの論法は軽薄である。
尖閣諸島の問題も同様であるが、どちらかが一方的に威圧行為をしたことが発端になっている。タイミングは失った感はあるが、本来の外交交渉によって話し合わなければならなかったことなのである。今からでも決して遅くはない。
コメント (1)
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