
ニュージーランド南島の奇麗な街嫌いストチャーチで2つのモスクが、白豪主義を唱える人物によって襲撃され、50名の死者と多くの人が傷ついた。とても悲しい銃乱射事件である。テロ事件であるが、組織的ではないようで白人であることを強く意識した男の単独犯である。
ネットに反抗予告を書き込み、首相などに声明文を送り付けている。白人社会が移入者によって侵されていいるというのである。異教徒への排斥観念もあるようである。この男はオーストラリアから来て、犯行に及んだようである。
白豪主義(White Austrarlia Policy)とは、オーストラリアがとった有色人種の排斥運動である。中国人が大量に安価な労働者として流入してきたことがきっかけであるが、すべての白人種以外の民族の排斥をすることなった。
全く身勝手な白人至上主義である。白人たちはオーストラリア原住民のアボリジニを迫害し土地を略奪し、奴隷として使ってきた侵略の事実に蓋したままである。
それでいて、今度は移民政策によって自分たちの生活の場がなくなる、奪われるとは理不尽な主張でしかない。白人が排斥した歴史は正当化したままなのである。これは何もオーストラリアだけでなく、南アメリカのアパルトヘイト政策やアメリカの奴隷政策も白人至上主義といえる。
日本でも、このところの嫌韓、反中などといわれる、韓国や中国の人たちへの民族的ヘイトにもその歴史を伺いみることができる。今回の事件と同質のものとして、神奈川県の障がい者施設「津久井やまゆり園」の襲撃事件がある。実行犯は、障碍者を不要の存在と排除すれば、政権から支持を受けると思っていたのである。
これだけの国境を越えた交流があれば、いずれ民族意識は薄れてなくなってゆく。国家に対する意識も同様である。民族や国家で人を差別どころか排除したり、今回のように殺害することは、自らが思い込んだ蔑んだ民族の以下の存在になていることに気が付かなければならない。