
安倍晋三の外交は同じ理由で今回もプーチンに蹴飛ばされた。それだけではない。3000億円もの経済援助は義援金のように差し出しているのである。
プーチンと安倍の宣言は正しい。「北方領土は我々の世代で解決する」ということであるが、その通りになった。もうこれ以上は動くことがない。プーチンは見事に我々の世代で解決したのである。
ほかの国々とも同じである。何か解決か進展が見られた外交は存在しない。特に中国と韓国、北朝鮮には相手もされない、「蔑み外交」の極みである。どんな場面でも相手にされない。村山談話や河野談話をぶち壊したおかげで、戦前の占領下の問題を蒸し返されている。その結果、安倍を支持する右翼は、嫌韓反中一色に染まって、反支持者を”反日”とヘイトし続けるのである。
政権内には、極端な国粋主義者で固められ、萩生田光一や衛藤晟一や稲田朋美や水田水脈のような寵愛を受けた人物が幅を利かすようになる。党内の多少の意見を持つ人物たちも息を顰める。
哀れなのは原発外交である。政権の後押しで輸出を目指したプロジェクトはすべて破たんした。とても大きな出来事であるが、何故か報道は鈍い。
30兆円に迫るバラマキ外交は足元を見られるばかりで、国際的な国家としての信用を失墜させた。国内的にも、公文書の改ざんや隠ぺいや無数の不正行為が起きているにもかかわらず、誰一人として責任を取らない。懲戒を受けない。失脚もしない。隠ぺい改ざん担当者には栄転が待っている。対外的な国家の信用と、国内的な機能の劣化は、円の信用をもなくさせることになる。
日本はこれから世界に前例を見ない「高齢化社会」と「少子化社会」と「超債権国家」として生きていゆかねばならないのである。安倍晋三はこの7年余りで、この国がそれらの問題克服する可能性のすべての芽を捥ぎ取ってしまった。