世界で最も新型コロナウイルス(COVID-19)を理解していない指導者が、アメリカのトランプである。アメリカは、2002年のSARS,2015年のジカ熱、2018年のエボラ出血熱などは国外で起きていて経験がない.
1月22日中国系アメリカ人が発症すると、ひとしきり中国に悪罵を投げつけた後、「全ては統制下にある。リスクはなく暖かくなれば終息する。」と言い放った。
ウイルスの専門家の提言に渋々耳を貸したのが、発症が100名を超すようになった3月17日になってからである。やっと、「これはパンデミックだ」というようにはなった。が、1週間後の24日には経済活動の再開を言い始めている。
トランプは国内に、新型コロナウイルスが蔓延を抑え込むチャンスを自ら放棄した。
トランプが就任早々に切り込んだのがオバマケアである。国民皆保険がトランプは気に入らないのである。富める者が貧しい者の負担をしないというのであるが、8.5%が保険未加入である。外された、2750万人はコロナ感染で初日に14万円の診療を負担しなければならない。彼らが診療を放棄するならば、疫学的に大きな穴が開くことになる。
アメリカは世界で最も多くの感染者を抱え84万2629人(23日現在)で、死者も4万6482人と最も多い。トランプは自らが受ける国民の批判の目を外に向けさす。中国が悪い。事実を隠蔽している、わざと研究所から菌をばら撒いた、と言いたい放題である。次は中国寄りだとWHOを批判し、負担金を停止している。WHOの活動は問題があっても防疫の基本である。WHOの活動を停止させてはならない。
トランプらしく幼稚なのが、民主党が悪いというのである。大統領選の最中に民主党が流したデマだというのである。これは笑うしかない。
当初の感染者はほとんどがニューヨーク州であったが、州知事と責任のなすりあいを演じている。責任を州知事に押し付けるなどとは、国家の最高権力者のやるとこではない。実際対策は州ごとにごとにバラバラである。
オバマが世界各国での感染症の広がり対策に、パンデミックシュミレーションとして仮名「クリムソン伝染病」対策をやっている。オバマはNSC内にパンデミックチームを作ったが、トランプは解体している。トランプは他者を責め責任を擦り付けるより、国民の健康を守る基本を放棄したことを反省しなければならない。
更にトランプは自粛に焦りを感じた自らの支持者を使って、コロナ対策を中断して経済活動の再開を訴えさせている。全く無責任の極みである。