慶応大学病院で、治療前の来院者67名をPCR検査したところ、4名が陽性であった。ほぼ6%が陽性だということである。来院者なので何らかの病態があるとしてもかなり高い数字である。仮にこれを5%ととすれば、首都圏1000万人とすれば50万人の新型コロナウイルス陽性者・保菌者がいることになる。
警視庁が先月末から今月19日まで路上や自宅での変死者をPCR検査したところ、11名が陽性で新型コロナウイルスで死亡したと思われるとのことである。これは異常な数字と言わざるを得ない。朝のワイドショーで田崎スシローは、「肺炎で亡くなられた方は全員PCRしています」と相も変わらない安倍晋三の擁護をしていたが、根拠がないことが判明している。警視庁はどれほど検査した数字か公表していないが、東京都6人、兵庫県2人、埼玉県、神奈川県、三重県が各1人で、いずれも男性とのことである。
この二つの報告は、市中にかなりの陽性者を放出していることになる。
「敵を知らないで戦っている」と、検査に消極的な日本の姿勢を、ノーベル賞受賞者本庶佑博士言われたが、まさしくその通りである。軽症者のPCR検査の無用を当初強調していた専門家ですら、今は必要性を認めている。今後は抗体調査をして、本当の姿を追わなければならない。
日本よりほぼ2月以上遅れの3月1日に初発があったニューヨーク州は一足早く、3000名の抗体調査を行っている。その結果14%もの陽性者がいたとのことである。26万人の感染者が報告されているが、実際は270万人の感染者がいることになる。 感染者数は公式発表の10倍以上ということになる。都市部では20%を超えているということである。推定であるとはいえ、極めて深刻な数字といえる。日本も大いに参考になる数字といえる。
日本政府はこうしたサーベイ、敵の姿を知る方法をいまだ採用していない。後手後手の典型である。
もう一つ。専門者委員会が政権内にあるということである。専門家の知識提案は、政治家の責任によって取捨選択される。とりわけ諮問委員会の尾身会長は政府が採用する程度の事しか提言しない、できない。こうした専門家会議は政権の外に、独立した組織として置かなければならない。
安倍晋三のこれまでの動きから見ると、彼ら委員たちはいずれ漏れなく高いポストが用意されることになるだろう。彼らに冷静な判断、不都合な事実を伝える勇気があるだろうか?不健全な政権は、どこまで行っても不健全である。初動対応が失敗した日本は、台湾韓国に比して哀れである。際限ない坩堝のCOVID-19の中に入り込んでしまった。