ロシアのウクライナ侵略で学ぶことは、核兵器をの所有を論じることではなく、原子力発電所(核発電所)が有効な攻撃ターゲットになるということを最優先に論じなければならない。
人間の回廊が取り囲んでいたウクライナ南部のザポロジェ原発が、ロシア軍の攻撃受け火災が起きている。ウクライナの国民は、人間の回廊を作ったり道路に障害物を並べ、ロシア軍の侵入から守ろうとしていたが、蹴散らかされたようである。国家が原発を狙う歴史的な悪行である。
ロシア側はウクライナの自作自演だと述べているが、かなり無理がある。現実としてウクライナ最大の原発基地、ザポロジェ原発はロシアによって制圧されている。
6基を構えるザポロジェ原発はウクライナ最大で、25%の電力を賄っている。外に3カ所も原発がある。電気の供給を通じてロシア制圧はしたいのであろう。破壊工作は今のところ行われていないが、稼働や停止をウクライナの技術者に任せるのだろうか。
それにしても圧倒的な軍事力で制圧しても、プーチンの言う同民族が平和で豊かに暮らせるわけなどない。プーチンは我々には悪意はなくはネオナチと戦っている。軍事施設しか攻撃していないと、思ったように進んでいないが反省の言葉はない。
経済制裁はクリミア併合で痛いほど体験しているはずであるが、逆に支持率は80%を超えた。このことが忘れられないのであろうか。しかし今回は、ロシア国内ですら反戦感情が高まっている。経済制裁も以前の比ではない。
国連総会の非難決議も圧倒的である。長期政権で側近にはイエスマン氏しか並べることがなく、忠告者がいなくなったのだろう。プーチンは狂気の判断しかできていない。そうした意味からも、原発の制圧は極めて危険である。
仮に軍事的制圧を成し遂げたとしても、統治もできないだろうし、失ったルーブルの信用もままならないだろう、ロシアはプーチンの失脚でしか救われない。自らから降りることもないだろうから、内部反乱しかない。