そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

世界の大豆市場を混乱させたり、遺伝子組み換えを凌駕したりの人工肉に反対する

2023-06-09 | 農業と食

肉生産が環境破壊して、人にとって不健康なものになる、だから人工肉にしようといういう動きがある。
遺伝子組み換えもしないし、大量の土地も使わなないし、CO2の排泄もないし、食料危機を救うし、家畜を殺すこともないし、衛生的で安全と、人工肉が喧伝される。
果たしてそうであろうか?
現在人工肉には大きく分けて次の二種類がある。一つは代替肉(食肉代替品:Meat analogue)といわれる、主に大豆などを使って”肉らしく”見せかけて、調理で肉にように食べる。
これが、現在でも世界で生産される大豆の、九割が牛と豚と鶏に給与されている。肉や卵や乳は高蛋白であるため、高蛋白が必至である。時には動物蛋白を給餌したことが、BSE:狂牛病発症の原因にもなった。
そこの代替肉の参入である。またどこかの熱帯雨林が伐採されることになる。

もう一つが培養肉(Cultured meat)といわれる、動物から組織または細胞を取り出して培養して作られる肉がある。試験管培養と言って良い。
筋肉を細胞からラボで培養するのであるが、遺伝子組み換えはごくごく一部の遺伝子操作であるが、これは一つの細胞全てを、牛肉や豚肉や鶏肉や魚肉など自在に培養生産するというのである。味も種類も好みに合わせて作れる。
環境を汚さない、動物倫理に触れない、衛生的で農場を必要しないということも、空々しい。培養にかかるエネルギーの効率のロスもバカにならない。

そもそも人工肉に飛びついているのが企業である。もうすでに様々な製品を市場に送り込んでいる。企業が食料に参入して成功したためしがない。それらの企業はすべてSDGsを掲げている。どのことを言っているのかわからないが、実態や背景を塗りつぶして考えているのであろう。
企業は収益が上がれば成功というだろうが、現実には適当な時期を見計らって撤退するのがオチである。
これら人工肉の登場は、現在の肉生産の環境破壊性が拾ことに起因している。健全な肉牛生産に戻せばそれらのすべてが解決できる。
人工肉の生産に反対する。
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