河野洋平は超党派議員連盟の総会で、 1994年の細川護熙首相との合意を踏まえ、「企業・団体献金をやらないために、政党交付金を導入した。細川氏もそう思っていた」と、企業・団体献金を禁止した理由を説明した。
企業・団体献金を認めるならば、政党交付金を止めるべきである。ところが現自民党総裁の石破茂は、「公的助成が入ったので企業・団体献金がなくなるという意識をもった人は少なくとも自民にはいなかった」 と述べこれを否定している。企業・団体献金は5年後廃止という条件で、政党助成金が導入された。これこそが自民党の狡猾さがある。
ある法律を通すために、代わりのおとりになるものを用意して、それをやると口約束するのである。今回の103万円の壁で国民民主党を取り込んだが、やるとは言っていないが、国民民主党のいうことを全部認めたのではないと、予算の通貨を確認すると言いだしている。やると言っている風に聞こえることを約束する。国民民主党はほどなく騙されていたことを知ることになる。
国民民主に続いて、維新の会が同じ手法で取り込まれている。両党を天秤にかけ競わせ、与党気分をあじわせたところで切られるのがせいぜいである。
自民党にとって約束事など手段でしかない。そんな自民党の歴史を知ってか知らずか、石破茂は、「ルールを守る自民党」を掲げて自民党総裁選を戦った。それで自民党はルールを守るのかと言ったら、もうすでに国民民主を手玉にとっている。政治の世界では、嘘をつく方より騙される方が悪いのだという、珍説がある。永田町が世情とかけ離れた存在の象徴である。
しかし現実の世界に、汲々として生きている身にとって、ルールは守られるべきである。確か石破はそう言っていたた。