山口県阿武町が誤って一人の人物、しかも勤労意欲があると思えない若者に振り込まれた事件が、滑稽ではあるが余りにも現代を象徴する事件といえる。
振込対象者は阿武町在住の、コロナ禍で直撃を受けた生活困窮家庭463戸への救済金、臨時特別給付金であった。多くは高齢者や障碍者やコロナ禍で被害を受けた人たちである。
ところが誤って振り込まれた男は、24才のいたって健康な若者である。単に就労意欲がない人物である。当初は役場の要請を受けて、銀行に同行までして下す善意を見せてはいた。銀行を見て突如翻意したようである。態度が一変して男はオンラインカジノを思いついた。
この若者は、『4千万円もあれば、カジノで大儲けできる。元金は返せばよい。儲けた金が自分の懐に残る。』と考えた。
これこそカジノの本質、賭博の甘い誘惑の本質を語っている。
この純真ともいえる庶民の賭け事への心理を巧みに利用し、金を吸い上げるのが賭博である。安倍政権は賭博をカジノと言い換えて、IRと誤魔化して国会審議を、賭博の胴元から金を貰った人物が議長という委員会で行って、強行採決した。違法手続きの審議法案は違法であり、廃案にすべきである。
この若者のように勝つことしか考えていない。仮に勝ったとすると、もっと勝てるはずだという心理が働く。胴元は必ず勝つ。ちょっと勝たせてもらうことがあっても、賭けた方は必ず負ける。楽しんだとか夢を持たせてくれたとか、適当に目先をごまかし、金を吸い上げるのが手口である。
だから民法で賭博は禁止されている。賭け麻雀で野球選手や漫画家が捕まったり相撲取りが花札で書類送検されるのは、民法で賭博が禁止されているからである。
この不完全な遊びを、金になるからと、カジノ開催に躍起になっているのが大阪維新の会である。行政が違法行為をしてはならない。狂っているとしか言えない。