ロシアのウクライナ侵略を正当化する人たちがいるが、ウクライナの人の悲惨な殺戮と、ロシアの無謀で非人道行為は許されるものではない。プーチンやロシアの立場はどうであっても、殺人行為、侵略行為、破壊行為、略奪行為は許されるものではない。
ウクライナは食糧輸出国である。とりわけ中東とアフリカは黒海から輸出される小麦に大きく食料を依存している。100%ウクライナに依存するひまわりの食用油は、調理用に欠かすことができない。
それらの輸出がロシアの侵略で港が封鎖されできなくなってしまっている。プーチンは侵略理由をいくつも掲げていたが、その理由の多くは出鱈目であったが、中東やアフリカの人達から食料を奪う結果になっていることへの言及はない。
ロシアは港を封鎖しただけではない。侵略地域の小麦を大量に略奪し、ロシアに持ち帰っているとウクライナは報道している。4000万トンというから相当な量で、眉唾の所があるが量はどうでも、ロシアは侵略にかこつけて泥棒をしているのである。盗人である。
それより深刻なのは、、ウクライナ北東部ハルキウにある「シードバンク」(種子銀行)がロシアの爆撃によって破壊されたということである。シードバンクとは、植物などの種子の遺伝資源を収集・保管する施設である。ウクライナのシードバンクは世界最大規模のひとつで、16万種以上のタネを保管していたと言われている。この種はこれからの人類にとっての大きな資源になるはずであった。(下図)
これを報道したのが、ロシアの反政府系調査報道サイト「ザ・インサイダー」であるということで、可成り信ぴょう性も高い。
ウクライナ国立科学アカデミーの主任研究員は「現代では復元できない数百年前のタネも含め、何万ものサンプルが灰になった」と発言、「悲しいかな、ヒトラー政権下のドイツでさえ、ウクライナを占領している時に、このコレクションを破壊しようとはしなかった。むしろ保存に努めたぐらいだ」などと述べている。これは人類の共通財産であったはずである。
ロシアは意図的にシードバンクを狙ったのか、たまたま爆撃してしまったのかは定かではないが、悪質な攻撃であることは否定できない。
プーチンは深刻な現在の食料問題を引き起こしたばかりでなく、食料の未来をも奪ったのである。
Fact Check: Did Russia Destroy One of World's Major Seed Banks in Ukraine?
https://www.newsweek.com/fact-check-ukraine-national-seed-bank-destroyed-russia-1707864
戦争で真っ先に失うのは事実ともいわれています。
自らに有利な情報をお互いに拡散するのでしょう。上記の下の写真をいただいたところは、趣旨はすべて焼き尽くされたとしています。