オバマ大統領はオーストラリアの議会で、今後太平洋側・東南アジアに重点を置く外交に切り替えると演説した。10年間手を焼いてきた、アフガン・イラクから撤退して、今度はのさばってきた中国を押え込もうというのである。
2500人の海兵隊を、オーストラリアに常駐させるとのことである。経済発展を背景に、中国は軍事力を伸ばしてきた。とりわけこれまで手薄だった海軍力を増強し、南沙諸島の領有権を主張し、周辺6か国を威圧している。
オバマの狙いは、経済成長が著しい東アジアで存在感を示したいのである。これまでの中東重視のアメリカ政策からすると、大きな転換である。
それにしてもこの政策転換は成功するのであろうか? 中国に怯えている、フィリッピンやベトナムや台湾を手なずける作戦ではあるが、資源もなく市場性も小さな国々である。軍事的意味もほとんどない。アメリカの思惑は満たされないだろう。
オバマの東アジアへのシフトの一つが、TPPである。周辺諸国を取り込むことで、国内の雇用問題を好転させたいのである。
しかしかつてのように、世界中どこでもアメリカの威光が及んでいなければ、納得できなかった時代とは様変わりした感がある。その威光を東アジアでは、発揮できると読んだのだろう。
圧倒的な軍事力を背景にして、支配しようとするオバマであるが、就任当時の格調高かった演説も薄れた。核兵器廃絶を唱えてノーベル平和賞を受賞したが、これも今ではパロディーのように思えてならない。
軍事力を持たないアメリカは存在しないことを、今回のオーストラリアへの海兵隊常駐は語っている。
だから、中国人に覇権主義は避けられない。
力を示したものが覇者となる。
漢民族が、東夷 (とうい)・西戎 (せいじゅう)・南蛮 (なんばん)・北狄 (ほくてき)に対して種々の要求をする。
議論を好まない。覇者はただその力を示す。
口実は、その後からついてくる。
中国語には、時制がない。
中国人は、現実しか語らない。
聖人と呼ばれる孔子でさえそうであった。
宗教の内容など、彼らにとってどうでもよいことである。宗教は、何でもあり・何でもなしである。
自分の都合が悪くなれば、覇者は書を燃やし儒者を坑する(儒者を生き埋めにする)。
このやりかたは、今日に至るまで変わることがない。
力は正義である。(Might is right).
自分の考えている「あるべき姿」の内容を相手に穏やかに話し、手には棍棒を持っているのが上策である。さすれば、正義は我が方に来る。
日本の武士の子孫は、余念のない刀の手入れを怠っているのではないか。
力不足であっては、実効支配もままならない。
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