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プーチンにすっかり飼い慣らされた感のあるトランプである。サウジアラビアでの高官協議は難航を極めている。その内容すら知らずにいるのかと思われるのがトランプの発言である。
「コメディアンがやらなくて済む戦争に踏み込んだ。たった4%の指示しかないゼレンスキーは選挙もやらずいる、ウクライナの独裁者だ」と言うのである。ウクライナ戦争はヨーロッパの戦争だ。コメディアンはトランプである。発言の内実はプーチンの代弁の過ぎない。
トランプはウクライナの地下資源の半分をよこせと言うのであるが、ジャブを放って反撃を待つのではなく、いきなりカウンターを放ち言葉ですっかり信用を失う結果になっている。これまでのアメリカの支援の元を取り戻さなければならないというのである。戦争投資か?
偽情報を平気でがなり立てる。為政者には品格がなければならないが、大国となるとそれ以上の気遣いなども求められるが、トランプにはそれがなにもない。
トランプ政権で一番の問題は、暴走するトランプであることは衆目の一致するところである。前任期で彼の最初の歯止めになったのが官僚である。ホワイトハウスの機能は停止状態で、そこからの回復であった。今期は側近がこれを鎮めてくれれば治まるものを、どうもそうなっていない。
イーロンマスクは、ドイツの極右翼政党AfDを持ち上げたが、彼だけではない。
バンス副大統領が失言を通り越して、暴走暴言を上塗りするかの発言を繰り返す。欧州会議では、「最も心配しているヨーロッパへの脅威は、ロシアでも中国でもなく、ヨーロッパがアメリカの価値観から遠のくことだ」と述べ、「ヨーロッパで言論の自由が後退している」と述べている。グレタトーベンの発言に耐えられるのだから、イーロンマスクの発言に耐えられるだろうと言ってのけた。移民排斥を主張する政党を支持せよとも言っている。