そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

小麦ばかりを何故騒ぐ

2008-05-11 | 農業と食

輸入小麦価格が、2.3倍になると報道されている。小麦の自給率は、13%程度である。欧米化した食事情で、小麦の与える影響は少なくない。

農水省は、小麦価格の上昇原因として、次の4点を挙げている。 ①バイオ燃料の転作 ②オーストラリアなどの生産国の不作 ③中国内のヒト用・家畜用の需要増 ④輸出国の輸出制限 を上げている。

Ai465e01この分析は多分正しいだろうが、価格上昇が何故問題になるかを述べていない。小麦は、海外への依存が高いからこそ大問題になるのである。

左のFAOの表を見ていただきたい。穀物の中でもお米の価格上昇率は、実は一番高いのである。輸入依存の高いフィリッピンでは、お米よこせ騒動が起きているくらいである。

お米の国際価格は、昨年春には280ドル/トンであったのが、この春にはタイやベトナムやアFxport_riceprice_07040804メリカなど軒並みに780ドル/トンにまで上昇している。(右の同じくFAOの表参照) しかも、輸出国の多くは自国では主食品であるため、食糧安保の意味から輸出制限を行っている。

本ブログの5 月6日にも書いたが、日本ではお米をどうして騒がないのか? 何故 小麦価格の上昇ばかりを問題にするのか? 答えは簡単である。曲がりなりにも、お米はわが国で自給しているからである。

食料安全保障が、生産者のへ理屈だと騒いでいた自民党のおえら方がいた。30年近くも、お米を生産しなければお金を出す愚策・政策を進めていた連中もふくめ、市場経済主義者たちは、この事態をどのように考えているのだろう。

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「一衣滞水」の方が内容があった

2008-05-09 | 中国

30年ほど前、「日中友好協会」に所属していた。国交回復直後の中国にも行った。大変な歓迎をあちこちで受けた経験が、今となっては空しい気がするのはなぜだろう。

四人組が追放されて、中国がやっと安定し始めた時でもある。日本などの、非東欧圏との交流02080508が欲しかったのは、経済的に破たんしていたからであった。この時期、中国側が盛んに口にした言葉は「一衣滞水」であった。

現在、ネット検索してほとんど見られない「一衣滞水」は、隣国関係を強調する言葉であった。胡錦濤の口からは、同じ内容の表現はあっても「一衣滞水」という言葉はついぞ出なかった。

胡錦濤の訪日は、時代の流れを大きく感じる内容であった。「人民網日本語版」の中国側の発080508 表を見ても、総論に終始する内容である。

歴史問題は、歴史を直視し未来へ向かう精神で修理し・・・に止めている。

双方の相違点は、対話や協議を通じて処理するよう堅持する・・・とある。

中日間の経済・貿易関係を量から質に…物質的基礎を固める・・とし。

各分野で協力体制を構築…青少年の相互理解と友情をを育み・・平和メカニズムの構築・・ともに世界的課題に対処する。・・ヨクワカラン。

今回課題とされていた、ギョウーザもチベットも東シナ海油田も見えてこない。総論とパンダとピンポンに埋没した感がある。

韓国メディアが、歴史問題を封印したことに不快感を露わにしているのも、気になるところである。世界各国のメディアの取り上げも極めて低い。

いずれにしても、日中関係は新しい時代に入ったようである。より抽象的表現の「一衣滞水」の時代の方が、内容があったように思える。なぜだろう。

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センリャクテキゴケイカンケイ??

2008-05-08 | 中国

日中共同声明が出された。会談当初から「戦略的互恵関係」という、文言がやけに目立つ。積極的にお互い共同歩調を取ろうという意味であろうが、その内容はよく解らないことばかりである。

センリャクテキゴケイカンケイ? あれほどまでこれまでの首脳がこだわり続けた、歴史問題をPhotoいったん封印してまで、世界平和の発展に共同歩調をとる? 何をいまさら一般論を展開するのか、よく解らない。

東シナ海のガス油田は、合意に達したが発表する段階ではないそうだ。これは合意していないのでないか?

ギョウーザ問題は、今後の調査を掲げているだけである。よく解らない。

日中の経済的交流の必要性をうたっているが、小泉時代に「政冷経熱」と、胡錦濤が名付けたように、経済は今までも順調な関係を保っていた。それを政治の場でも、展開しようというのであれば、政治を全面的に交流することをうたうべきである。相互首脳の定期的な交流は掲げてはいるが、妙な感じがする。

何よりもチベット問題では、福田首相らしい優柔な姿勢が貫かれた。中国のとった態度に理解を示したのである。胡錦濤はなにも間違っていないと、突き放した。

そのチベット地域の、絶滅危惧種・希少種のパンダを日本に贈る(レンタル?)らしい。パンダは可愛いが、いつまでも政治利用するなと言いたい。

北朝鮮問題に関しても、相互の理解をしますという、全く無感情な表現で当たり障りがない。

結局は、北京オリンピックを成功させたい中国の胡錦濤国家主席と、洞爺湖サミットを成功させたい日本の福田首相の思惑が見え見えである。

チベット問題で対外的にポイントを失った胡錦濤、国内で支持率を急落させてりている福田康男の二人が、懸命に失地を回復するために取り組んだ「センリャクテキゴケイカンケイ」でないか。「互恵」とは福田と胡錦濤が助け合うことで、「戦略的」とは本音を隠してという意味である。

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九条世界会議開催

2008-05-07 | 平和憲法

01_2 日本憲法の九条のもつ、不戦の誓いを世界に広めようと5月4~6日千葉の幕張メッセで開催された。当初見込まれた参加人数を大きく上回った。延べ2万2千人の参加があった。

この会に呼応して、日本各地で世界会議が開催されているので、実質はその数倍になると思われる。この、日本国憲法9条に対する動きは、ほとんどが自発的であるといってよい。あるいは、非政治的な活動と言える。世界会議のサイトをご覧ください。http://whynot9.jp/

日本の「MOTTAINAI」を提唱したことでも知られる、ノーベル平和賞受賞者のワンガリ・マータイ女史も、動画で参加し日本が9条を堅持すること、あるいは世界に広めることなども提唱している。02

本大会は「軍事費を削減し保健、教育に充てるなどをするように、7月の洞爺湖サミットに軍縮 を盛り込むように」などの宣言を採択した。

また、吉岡共同代表は「9条が世界的に普遍的いもを持っていることが確認された」と語ってもいる。

日本は今、「平和」という言葉を「安全保障」という言葉に置き換えて、軍事費の拡大を続けている。平和憲法の理念を確認する作業が優先されるべきである。

それにしても、相も変わらず、「9条世界会議」の報道は極めて小さい。

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フィリッピンに学ぶ食糧自給

2008-05-06 | 政治と金

フィリッピンで米暴動が起きそうな勢いである。一部地域で米騒動が起きているようであるが、政府は認めていない。国内価格は、たった2ヶ月で30%も値上がりを見せている。

フィリッピンの人たちの主食は、日本同様にお米である。フィリッピン政府の農政の失敗、あるいは工業化への転換を志向したあおりで、国内のコメの生産が急速に悪化してきている。特に昨年は不作であった。

世界の穀物価格が急騰している。日本では、家畜用飼料や小麦それに大豆の高騰ばかりが報道されている。FAOの報告によると、1998年-2000年の米の国際価格指数を100としたPhoto場合、現在は216にもなるとされている。

この数年米生産量が急激に落ち込み、輸入に頼っているいるフィリッピンにとっては、死活問題である。加えて、米を依存していたヴェトナムもタイも輸出制限に踏み切った。

国内の備蓄は十分あると、アロヨ大統領が宣言しても、現実には備蓄も底をついたようである。先月政府は、食料局(NFA)は貧困層に対して米カードの配布を検討したが、実現していないようでもある。

フィリッピンは世界最大の米輸入国である。ここの備蓄がなくなったことが、国際価格をさらに高騰させたのである。加えて、米消費大国の中国やインドの経済成長、工業化への転換も大きく影響している。

翻って、日本ではなぜ米の国際価格の高騰が問題にされないのか? 答えは簡単明瞭である。日本は米をほとんど自給しているからである。

小麦が上がった、大豆が上がった、家畜飼料が上がった、と報道は騒ぐ前に、米を十分食べている日本の現状をしっかり認識する必要がある。

多少の問題を残しながらでも、自給することがいかに大切なことであるかをフィリッピンの現状は教えてくれている。食糧輸入賛成論者には、この際じっくり考えていただきたい。

フィリッピンの米騒動に、日本の食料自給率問題を投影してみると、いかに食糧の自給が必要なことかが分かる。

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こりゃエコノミック大統領だロ

2008-05-05 | ゲノム編集

日本と同じような歩調で、BSE(牛海綿状脳症:恐牛病)に関してアメリカ産牛肉の輸入体制をとっていた韓国ではあるが、先月4月18日に、この枠をOIE(世界獣医検疫所)基準に合わせると発表した。

OIEの方針に従うということであったが、実態はほぼ全面的な輸入へとなっていた。米国シェーハー農務次官は「すべての年齢の牛の、米国産牛肉・牛肉製品を完全な市場アクセスにゆだねることになった」と言わしめていた。

年齢もさることながら、危険臓器とされていた、脳、眼球、せき髄、頭蓋とうすべての臓器をも容認していたのである。韓国政府は、OIEの基準に照らし合わせてみても、30か月という縛りも、危険臓器についても撤廃してしまっていた。

韓国では、インターネットで李明博大統領の弾劾署名を行い、100万名を突破したとのことである。今日(5日)には、ソウルで1万名のデモも行われた。

李明博大統領は、経済最優先を掲げて登場した、民間の経営者である。ほとんど、経済効果か080505らのみ米国産牛肉の輸入に踏み切ったのであろう。

韓国内の米国産牛肉に対する不安が大きくなり、日本や台湾と比べて著しい不利が生じる場合は見直すと、韓国政府は発表した。アメリカも、自国の牛肉の安全性を相も変わらず強調する記者会見を行っている。080423

アメリカ産牛肉は、BSEはもちろんのことあらゆる伝染病や衛生面での危険は、歴然として存 在する。

つい先日も、あれほど日本国内では大騒ぎしていたにも拘らず、、危険部位を含んだ牛肉を平然と輸入させる国である。どんな小さなことでもいいから、輸入制限の理由を見つけ出し、輸入制限をするべきである。

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日本国憲法を考える

2008-05-03 | 平和憲法

今日は憲法記念日である。毎年のように、改憲派の集会がある。改憲派がいなければ、護憲などいう範疇は存在しない。憲法がある限り「護憲」は、国民の当然の義務である。

憲法は「法律の中で一番偉い“法律”」と、よく表現される。一般論として分かりやすい表現であるが、少し違うような気がする。憲法は法律ではない。国家に課せられた、義務と課題の規定である。あるいは、暴走する国家を縛るものとして存在する。

憲法を英語では「CONSTITUTION」という。共に認識しあう、いわば共通認識というよう意味Japans_military_prepares_for_a_more である。イギリスには、成文化された憲法がない。判例だけでやっている。

日本の憲法は、前文と九条ばかりが際立ってして語られることが多い。この憲法は、一章が天皇の存在を規定し、二章が戦争の放棄をうたっている。三章で国民の権利と義務を規定している。

この三章こそ日々の国民の権利と規定したものである。平和とは、単に戦争のない状態をい1188397603 うのではない。軍隊を持たない状況として表現されるものではない。それらは、平和条件の一部あるいは、外枠のことでしかない。

平和であるためには、人の基本的な人権や平等、思想信条の自由、教育の機会均等、健康で文化的な最低生活を営み権利、財産権などが保障されたりして初めて可能なのである。平和的に生きることは、戦がないだけでは成し遂げられないのである。

多くの戦争が、こうした基本的人権を侵害されたところで発生する。九条のように、絶対的な平和主義や戦争の放棄も、このような人間としての権利が保障されて、初めて可能なのである。

諍いに対する対外的な考え方は、前文に明記されている。「自国のことのみ専念し他国を無視してはならない」と述べている。近頃なにかある度に「国益」を持ち出す輩がいる。とても危険なことだと思う。

憲法成立当時は、永世中立国を考えていたようであるが、いわゆる「自衛権」に関する考えも国際連盟にはなかった。上記の国民の権利を守るために必要でないかと、自衛隊が組織された。

しかし、当時の自衛隊に関する考え方は、現在大きくゆがめられている。海外まで平気で出かけるし、クラスター爆弾のように自衛に必要と思われない武器を多数所持している。何よりも、装備でも人的にも肥大化している。

この国の為政者は、憲法に従うのではなく、憲法を従えさせようと既成事実を積み重ねている。自衛隊の増強、海外派兵、兵器の充実などどれを見ても、平和憲法とは無関係なものばかりである。

憲法記念の日に、今一度日本国憲法を紐解いていただきたい。

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前代未聞の大混乱

2008-05-01 | 政治と金

この一月でガソリンは、かつてないほど安価になり、今日またかつてなかった高値になった。旧に復したのではない。円高の中にあっても、諸経費の高騰分を入れて「30円」以上も値を上げるらしい。

明らかなのは、政治の混乱で起きたゴタゴタである。この問題、あるいは事件で得をした人たちがいるであろうか? 自民党は世論を無視して敵に回した。民主党は、明確な対抗策を出せずに、ある意味悪党の側に回された感がある。明確は反応が少なかったこともある。

国民は一月安くなったガソリンを得たお得感よりも、その後の高騰の方が残る。言いように振り回されたガソリンス55 タンドは、何一つとしていいことがなかった。

理念が欠落した政治の貧困がもたらしたゴタゴタであといえる。スタンドマンが哀れとも思えるのである。

税の役割が終えたなら、止めるのが筋である。ガソリンにかかわる暫定税率は、有り余っている。少なくとも、道路を造る現場にはとても必要と思えない代物がたくさんある。妙なモニュメントや碑が無数にある。数キロも続く誰も通らない歩道には草が生えている。

ほんの少し道路を曲げる作業が、延々と続けられている現場は後を絶たない。何のために必要なのか、だれにとって必要なのか分からないこのような構造物は、明らかにお金が余っていること物語っている。

役目を終えたものならば、廃止するのが目的税の筋である。一般財源ににするのは筋が違う。ガソリンを焚かない多くの人に、税を還元することになるからである。環境対策に限定するなら解からなくもない。

経済は一流でなくなったといわれるが、政治は三流以下でないか。今回のゴタゴタ騒ぎは、海外メディアも十分な解説も報道もない。説明のしようがないのだろう。他国民には理解できないことだ。

それにしても、値上げの方はまことに素早いものがあった。ガソリンの値上げが新たな、次世代のエネルギーや車の開発につながることを期待したい。

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羅臼港

春誓い羅臼港