韓国では、大統領になったばかりの李明博が、実質的に無条件に近い内容で、アメリカ産の牛肉を輸入するとしたことで大いにもめている。大統領の罷免をネットでやっているし、何よりも今月に入って17日も街頭デモが行われている。
25日には、ついに拘束者まで出た。「ろうそく集会」と銘打たれて、3000人のデモ隊が、道路交通法とやらで弾圧にかかった。不条理な政策に、これほどまで韓国民を熱くする勢いが日本にもあればと思う。
進歩連帯などの1700の団体が、「国民対策会議」を結成して、政権を動かすまでになり、アメリカ産牛肉の自由化反対運動は大きくなった。連合民主党は、米韓牛肉交渉を貫徹するべきと、国会 議員が終結した。
韓国では牛肉に対する食文化としての意味が、日本よりはるかに深い。より一 層牛肉に対する不安が、日本より大きいのであろう。ろくにBSE検査をしないばかりか、交渉で は外されるべき部分を平気で、何度もパックして輸出してくる杜撰さに辟易したのであろう。
このことに関しては、日本もほぼ同じような条件である。韓国のように自由化には至っていないが、アメリカ産牛肉に対してもっと真剣に考えるべきである。日本政府は、自由化のタイミングを見計らっているからである。
なにかあると、牛丼屋ばかりが牛肉輸入規制に不満のパフォーマンスが目につくようでは、何の解決にもならない。アメリカの食に対する対策が、自己責任と市場価格で動いている以上、アメリカは真剣に応じようとしないのである。まともな対策を取るつもりは、思想的に持っていないのである。