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日々の暮らしから

「街中の案山子」「庭にいます。」から更にタイトル変更します。

昨日は2月26日 日経新聞「春秋」を読む

2006-02-27 07:10:08 | 私の雑感あれこれ
「春秋」は朝日新聞ならば「天声人語」のあの欄です。
4年前に93歳でなくなった歌人斎藤史さんの話。

父君も歌人で軍人。あの2.26事件の将校らとも交友があり、官舎も学校も一緒だったことから、彼らの人となりも身近に感じられたのでしょう。

「わが友らと我とも幼時より共に学び遊び、廿年の友情最後まで変わらざりき」
と前書きして、銃殺刑にされた青年将校を詠んだ歌
〈額の真中に弾丸をうけたるおもかげの立居につきて夏のおどろや〉

そして、1997年彼女は宮中歌会始の召し人になる。
天皇と2.26事件と斎藤さんの関係から、この人選は随分と短歌界で注目されたとのこと。

後に彼女の語った言葉としてコラムには
「『みんな一緒に行こうね』とつぶやいて皇居に入ると、自分の後ろの宮殿前庭に「軍服の軍人たちが並んでるなっていう気がした」と書かれている。

世間では終わってしまった事件、歴史教科書でしか出会わない史実になってしまっているけれど、史さんにとっては、将校たちを思うと格別のところ。
年月をいくら経ても、心に刻み込まれている年若くして命果てたものへの思いはゆるぎない。

その時の召し人 斎藤史が読んだ歌
〈野の中にすがたゆたけき一樹あり風も月日も枝に抱きて〉

「春秋」氏が70年目の昨日に紹介してくださったコラムを丁寧に読んだのに、私の拙文が情けない。
日経新聞が身近にある人は、見てくださったら嬉しいです。




コメント (2)
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