その男、津山と奥村(?)たちは、60年安保の時に入社して4年目の商社マン。
その時大学に入ったばかりの女子大生と、津村は恋に落ち…。
諸事情が運命を変え、女子大生は奥村と結婚。
46年後、「遠い国から来た男」津山と奥村夫婦の人間模様。
ちなみに遠い国は中米。
定年後の夫婦のやり取りが、おかしい、というか、現実に見聞きする話と交差する部分が大、だったりして、60代、70代夫婦を観察している山田太一氏の観察眼が正鵠を得ていて、滑稽、…であり切実でもあり。
中米で農園経営をしている津山の生活を想像して、「自分も中米へ」と言い出す妻。津山の妻が去年死んだ、と聞いたこともあってのことだから、そこのところは、女性のチャッカリさ加減、感じます。
慌てふためく夫。
それなりに出世をした夫を持ち、衣食住に不自由しない老後の途中にある60代半の台詞「これからの20年、私がこのまま生きていても何にもない」
「私たちは、もう明日死ぬということもありうるのよ。それでも不自然ではないのよ」 (注:正確な台詞の再現ではない)
だから、女は…「確かに自分が」と実感ができるものを得たい…のだろう。
そういわれて、
夫は、家族を思ってシャカリキ働いてきた自分の仕事人生は、いったいなんだったのだろう…と、慌てふためく。
津山の男気のある気遣いで、その奥村の動転と、女の奔放を納める。
人間ドラマは、観察眼でできている、なんていうと、そんなこと当たり前、と言われてしまうだろうけれど、人間模様は面白い、そう思わせるドラマでした。
うーん、だけれど、私も50代の女。
彼女の台詞、理解できます。
昨今、団塊の世代向けと称して、あれこれ企画がありますが、どれもこれも、消化試合では、なんていうひんやりとした感覚が去来するところアリ、ですから。
こんな感覚も飲み込んで、生きていくことなのでしょうか。
長く生きるということは。
追記
新聞で読んだ周知のことだから、追記するけれど、早稲田大学時代に同級生の女性を唐十郎氏と取り合ったという経験、こんな感覚も生かされているのかな、と下種の勘ぐり(アハハ)。
年老いても、若いときの思いを道連れにして生きているということ、でしょうね。
その時大学に入ったばかりの女子大生と、津村は恋に落ち…。
諸事情が運命を変え、女子大生は奥村と結婚。
46年後、「遠い国から来た男」津山と奥村夫婦の人間模様。
ちなみに遠い国は中米。
定年後の夫婦のやり取りが、おかしい、というか、現実に見聞きする話と交差する部分が大、だったりして、60代、70代夫婦を観察している山田太一氏の観察眼が正鵠を得ていて、滑稽、…であり切実でもあり。
中米で農園経営をしている津山の生活を想像して、「自分も中米へ」と言い出す妻。津山の妻が去年死んだ、と聞いたこともあってのことだから、そこのところは、女性のチャッカリさ加減、感じます。
慌てふためく夫。
それなりに出世をした夫を持ち、衣食住に不自由しない老後の途中にある60代半の台詞「これからの20年、私がこのまま生きていても何にもない」
「私たちは、もう明日死ぬということもありうるのよ。それでも不自然ではないのよ」 (注:正確な台詞の再現ではない)
だから、女は…「確かに自分が」と実感ができるものを得たい…のだろう。
そういわれて、
夫は、家族を思ってシャカリキ働いてきた自分の仕事人生は、いったいなんだったのだろう…と、慌てふためく。
津山の男気のある気遣いで、その奥村の動転と、女の奔放を納める。
人間ドラマは、観察眼でできている、なんていうと、そんなこと当たり前、と言われてしまうだろうけれど、人間模様は面白い、そう思わせるドラマでした。
うーん、だけれど、私も50代の女。
彼女の台詞、理解できます。
昨今、団塊の世代向けと称して、あれこれ企画がありますが、どれもこれも、消化試合では、なんていうひんやりとした感覚が去来するところアリ、ですから。
こんな感覚も飲み込んで、生きていくことなのでしょうか。
長く生きるということは。
追記
新聞で読んだ周知のことだから、追記するけれど、早稲田大学時代に同級生の女性を唐十郎氏と取り合ったという経験、こんな感覚も生かされているのかな、と下種の勘ぐり(アハハ)。
年老いても、若いときの思いを道連れにして生きているということ、でしょうね。