日々の暮らしから

「街中の案山子」「庭にいます。」から更にタイトル変更します。

ドラッカー氏の「ネクスト・ソサェティー」読了。

2009-04-29 11:16:34 | 本・映画・テレビドラマ・絵・音楽
2002年に書かれたものだから、ハズレ、というか、こんなにグローバルに景気が冷え込むなんていう、予兆はどこにも書かれていない。
多国籍企業は、本社があって海外支社がある、という形をとっているけれど、製造業ではなく、投資銀行のケースでは、本社支社の関係も取り払われて、まさしくグローバルな動きが求められる、と、そこまでは書いているものの、グローバルに破綻の波が押し寄せる話は当然でてこない。

経済の専門家から見た世界史を教えてもらったようで、読みながらワクワク気分を何箇所かで味わった。
クーベルタンの印刷技術の発明が、ジワジワと影響を及ぼしていった話。
鐙(あぶみ)が中央アジアで発明されたことが、ヨーロッパの甲冑の騎士を産み、イングランドで長弓が開発されて、騎馬戦も形を変えていった、とか。
ヨーロッパの騎士は領地をもち、農民(農奴)を食べさせるという主従関係だから、戦の最前線に駆けつけることを当然としていた、とか。
シーザー時代のローマ
ビザンチン帝国時代のコンスタンチノーブル
三銃士を書いたデュマの時代のパリ
メディチ家の時代のフィレンツェ
ディッケンズの書いた時代のロンドン

本の中で指し示している時代の彼の頭の中の映像と、乏しい知識の私の頭の中では、同じことばから連想する光景が違うのだろうけれど、
今の経済活動を捉えるときに、人類の歴史というバックボーンを語りながら、話を進めている、そのドラッカーのやり方に同行できたようで、楽しい読書でした。

鐙の発明が、馬の上での動きを確かなものにして、弓矢や剣を使うことができるようになった、なんて、初耳でした。
コメント
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