詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

ソネット 1

2011-04-01 13:59:18 | ソネット
ソネット 1

ドアが開いた、ぬるい風が吹き込んだ。
ちいさなコップのなかで倦怠が輝いた。
四月、誰かがかすれた声でわらった。
君は目を閉じて何も聞かなかったふりをした。

ちいさなコップのなかで倦怠が輝いた。
なつかしい花の欲望のように。
君は目を閉じて何も聞かなかったふりをした。
すべては知っていたことだから。

なつかし花の欲望のように。
あるいは失なうものがある快楽のように。
首筋に触れて花弁は崩れる。

あるいは失なうものがある快楽のように。
離れていくのは、より強くひきよせるため。
首筋に触れて花弁は崩れた。
コメント (1)
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