詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

アメリカ強欲主義(ロシア・ウクライナ戦争3年に思う)

2025-02-24 21:30:31 | 考える日記

 ロシアがウクライナに侵攻してから3年になる。トランプがアメリカ大統領になってから、いろいろな動きがあるが、基本的には何も変わっていない。すべてがアメリカ強欲主義に振り回されている。アメリカの強欲主義がすべてを支配している。
 私は、貧乏な農家の生まれなので、経済のことはぜんぜんわからない。自分が生きていくための金のことしかわからないのだが、それでもこのロシア・ウクライナの戦争を支配しているのはアメリカの強欲主義ということだけは理解できる。
 ロシア・ウクライナ戦争で、いちばん利益を上げる(上げた)のはだれか。アメリカである。
 ロシア・ウクライナ戦争がはじまったことで(ロシアがウクライナに侵攻したことで)、世界のほとんどの国がロシアを批判した。そしてロシアとの経済交流をやめた。ドイツはロシアから天然ガスを購入するのをやめた。日本もやめた。ロシアは、ヨーロッパや日本から金を稼げなくなった。ドイツ、日本がロシアからの輸入をやめた分、どこから代替品を輸入したのか。私は知らないが、そこにはアメリカからのものも含まれていると思う。ヨーロッパ、日本向けの「販路」をアメリカは拡大したと思う。
 そのほかにアメリカの「武器」が大量に売れたはずである。どこの国が買ったか。ウクライナが直接買わなくても、ヨーロッパ諸国が買っただろう。戦争の危機をあおることで、日本にも大量の武器が売れたはずである。
 そういうことを見越して、ロシア・ウクライナの戦争は、アメリカが仕組んだものだと私は考えている。その「仕掛け」に乗ってしまったのが、ウクライナである。
 では、このまま戦争がつづいていけば、もっとアメリカは儲かるのではないか。
 そうではないらしい。
 トランプが、突然レアアースの話をし始めて、それがはっきりした。「武器支援」ではなく「レアアースを購入することによる支援」という奇妙な言い方が、そのことを明確に語っている。
 この戦争がつづきすぎると(?)、アメリカは損をする。ウクライナには、半導体などには欠かせないといわれる貴重なレアアースがある。戦争がつづいていれば、それを手に入れることができない。アメリカは、もともと、ウクライナにあるレアアースを「いい条件」で手に入れるために、ゼレンスキーをそそのかして、ロシアが侵攻してくるように仕向けたのだろう。はやくレアアースを確保する方法を確立しないと、どこかにそれを奪われてしまう。
 だからこそ、トランプは「終戦工作」をはじめたのである。
 「状況」を支配しているのは、アメリカの強欲主義なのである。レアアースは、「ハイテク産業」の基調素材である。トランプの周辺に、AI関係の人間が登用されているのも、そのこといくらか関係があるだろう。彼らの政治的能力「優秀」というよりも、レアアースと関係があるのだ。レアアースの重要性を知っているからだ。それはまた、トランプの新しい側近がレアアースの独占を求めているということでもある。その要望にこたえてトランプは、レアアースを手に入れようとしている。「販路」を握ろうとしている。支配しようとしている。「終戦」はトランプのアイデアというよりも、「側近」のアイデアかもしれない。
 アメリカが儲かるなら、ほかの国なんかは、どうなってもいいのである。
 それは、アメリカ(人)が、アメリカの東部海岸に上陸したあと、アメリカ大陸を横断し、太平洋も横断し、日本、韓国、フィリピンまでを支配している状況を見るだけでわかる。
 トランプが「メキシコ湾ではなく、アメリカ湾と呼ぶ」と言ったメキシコ湾について言えば、フロリダもテキサスも、以前はメキシコだった。戦争で奪い取ってアメリカにした。(メキシコの前は、先住民のものだった。)アメリカの強欲主義は、アメリカがそれらの土地を「奪った」という歴史さえないものにしてしまうのだ。地球全部をアメリカ強欲主義の支配下におさめるというのが、彼らの最終的な「夢」だ。アメリカ人以外から、すべての利益を奪い取るのが彼らの「夢」だ。
 脱線したが。
 脱線ついでに思っていることを書いておこう。
 日本、韓国、フィリピンは、中国、ソ連(当時)の共産党を拡大させないための「防衛ライン」である。マッカーサーが確立した反共ラインである。
 で、このとき、日本は、フィリピンと比べると「幸運」だった。フィリピンにはアメリカ人(ヨーロッパ人)が食べるバナナがある。だからフィリピンは「バナナ生産国」(バナナ供給国)としてアメリカに支配された。バナナをとおしてアメリカの企業は大儲けをした。(ソ連がキューバを砂糖生産国にしたのに似ている。)日本の「特産」は米だが、米はアメリカやヨーロッパではそんなに食べない。だから「米供給国」にしたくても、ちょっと無理がある。沖縄の面積がもっとひろく、あるいは日本中がサトウキビの栽培に適していたら日本は「砂糖供給国」になっていたかもしれない。そういう「押しつけ農業政策」がなかったから、日本は「工業国家」の道を歩むことができたのだと思う。いまは、自立した日本の工業をおさえつけるために、鉄鋼や車に対して、圧力をかけている。
 話を戻すと。
 なぜ、レアアースの確保(販路支配)にトランプが躍起になるかといえば、レアアースは中国にもあって、これには手が出せない。中国は自国のレアアースを利用することで、産業をより活性化できる。このままでは、アメリカは中国に追い越されてしまう。そうした状況が、トランプの行動を後押ししているのである。
 レアアースという「資源の争奪」が、アメリカ主導ではじまったのである。それはアメリカ強欲主義の、新しい「戦略」なのである。

 
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