外国人労働者の問題点(東京医大の入試操作とつなげて考えよう)
自民党憲法改正草案を読む/番外223(情報の読み方)
2018年09月02日の朝日新聞(西部版・14版)の4面。
という見出しで、問題点を整理している。なぜ、日本が外国人を「労働者」として完全に受け入れないか。移民として認めないか。「受け入れ長期的視点を」という見出しのある部分に、こう書いてある。外国人を労働者として受け入れると、最初は税収増(企業がもうかる)というメリットがあるが、長期的に見ると住宅や教育などにかかる社会的コストの方が上回る。実習制度がはじまる前年、1992年に旧労働省がそう試算した、と書いてある。
「扶養家族が増えると税収は下がり」というのは、扶養家族手当てを企業が支払うので、その分だけ法人税(?)が相殺されて少なくなる、ということだろうなあ。外国人が支払う税金(所得税)そのものは減らないから。ようするに、企業がもうからなくなる。だから、家族といっしょではだめ、単身で、という冷酷な制度になった。
住宅費、教育費というのも、外国人が支払う「家賃」や「教育費」のことではないなあ。住宅を整備しないといけない、外国人向けの教育を整えないといけない。それに金がかかる。朝鮮学校の教育費は、民主党の時代に「無償化」されたが、自民党になって「無償化」は取り消された。いろいろな国からやってくる人の子どもの教育はどうするか。どう試算したか知らないけれど、金がかかる。だから、金がかからないように、「単身」に限定し、なおかつ日本に定住しないように、追い返す。
これを「実習制度」という「きれいなことば」で隠している。
傑作なのは、次の部分である。
国も地方も企業も、外国人労働者がいないと社会が動かないことを認識している。でも、金は払いたくない。「生産性」重視の思想がはびこっている。
さらに、こうも書いてある。
むごいものである。「奴隷制度」とも批判されたので、これを緩和して「在留資格」を創設するというのが安倍の狙いだが、その制度でもやっぱり家族の帯同は認めないという。
帰国した外国人がこういうことを自分の国で語り始めたらどうなるだろう。もう日本には誰も来なくなる。日本はもう滅びているとしかいいようがないが、それを加速させるのが安倍政権である。
安倍にとって都合のいいことだけを並べ立て、不都合は隠す。優遇されたいなら、安倍の「友達(支援者)」になれ、と要求する。優遇されるのは、いっしょに寿司を食い、ゴルフをするほんの一握りの「友達(支援者)」に過ぎないのに、みんな「自分こそは友達」と目の色を変えている。総裁選で安倍に投票したって、「大臣」になれるのはごく一部。ほかの国会議員は「干される」。石破と少しも変わらないのに、そのことに気づいていない。
あ、脱線してしまったか。
ちょっと話を元にもどすと。
外国人に対して、労働力としてなら歓迎するが、家族同伴は国(地方自治体)の出費がかさむからだめというのは、よくよく考えると、こういうことにならないか。
いま、安倍は、「働き方改革」という名の元に女性を働かせようと躍起になっている。一方で、少子化対策のために、「子供を産め」とけしかけている。子供を産めないのは「生産性が低い」そうである。
しかし、働く女性が次々に妊娠し、出産する。出産休暇、育児休暇をとる。子どもが増えて学校を造らなければならない。教師も必要になる。コストがかかる。そうなったら、どういうのだろうか。
女性は、妊娠・出産にともなうデメリットが多い。女性を雇うな、ということにならないか。重要なポストに女性を登用するな、ということにならないか。実際、東京医大では、そういう理由で女性の合格率を操作していたのではないか。
日本人であっても差別されるのだ。女性は実際に差別されている。
外国人実習生の問題は、単に外国人実習生の問題ではなく、日本の労働システムの問題である。労組は外国人労働者と連携し、日本の労働システムそのものを変える運動をしないといけない。
いまは、そのチャンスである。
でも、連合なんて、「経営者予備軍」(自民党支持予備軍)に過ぎないから、自分の「権益」を守ることしかしない。
#安倍を許さない #憲法改正 #天皇退位
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自民党憲法改正草案を読む/番外223(情報の読み方)
2018年09月02日の朝日新聞(西部版・14版)の4面。
外国人労働者 遠い「共生」
という見出しで、問題点を整理している。なぜ、日本が外国人を「労働者」として完全に受け入れないか。移民として認めないか。「受け入れ長期的視点を」という見出しのある部分に、こう書いてある。外国人を労働者として受け入れると、最初は税収増(企業がもうかる)というメリットがあるが、長期的に見ると住宅や教育などにかかる社会的コストの方が上回る。実習制度がはじまる前年、1992年に旧労働省がそう試算した、と書いてある。
5-10年働き、家族を呼び寄せ学齢期の子ども2人を持つと、メリットの4・7倍、年1兆4243億円のコストが発生する。扶養家族が増えると税収は下がり、住宅費や教育費などが必要になる。外国人が単身で働くうちはメリットが4倍にのぼる。実習生に家族帯同が認められなかった背景には、この試算がある。
「扶養家族が増えると税収は下がり」というのは、扶養家族手当てを企業が支払うので、その分だけ法人税(?)が相殺されて少なくなる、ということだろうなあ。外国人が支払う税金(所得税)そのものは減らないから。ようするに、企業がもうからなくなる。だから、家族といっしょではだめ、単身で、という冷酷な制度になった。
住宅費、教育費というのも、外国人が支払う「家賃」や「教育費」のことではないなあ。住宅を整備しないといけない、外国人向けの教育を整えないといけない。それに金がかかる。朝鮮学校の教育費は、民主党の時代に「無償化」されたが、自民党になって「無償化」は取り消された。いろいろな国からやってくる人の子どもの教育はどうするか。どう試算したか知らないけれど、金がかかる。だから、金がかからないように、「単身」に限定し、なおかつ日本に定住しないように、追い返す。
これを「実習制度」という「きれいなことば」で隠している。
傑作なのは、次の部分である。
「そのコストをだれが負担するのか。国か地方か、それとも企業か。結論は出ず、限定的な受け入れに決まった」。当時を知る旧労働省幹部は振り返る。
国も地方も企業も、外国人労働者がいないと社会が動かないことを認識している。でも、金は払いたくない。「生産性」重視の思想がはびこっている。
さらに、こうも書いてある。
当初は製造業を中心に17職種だけだったが、屋上屋を架すように制度は拡大され、現在では農水産業など77業種に拡大。建前とは違って事実上、単純労働の受け皿になっている。非正規社員と同じく景気変動の波にあわせた雇用調整に使われ、10年前のリーマン・ショックでは実習生もリストラされた。
むごいものである。「奴隷制度」とも批判されたので、これを緩和して「在留資格」を創設するというのが安倍の狙いだが、その制度でもやっぱり家族の帯同は認めないという。
帰国した外国人がこういうことを自分の国で語り始めたらどうなるだろう。もう日本には誰も来なくなる。日本はもう滅びているとしかいいようがないが、それを加速させるのが安倍政権である。
安倍にとって都合のいいことだけを並べ立て、不都合は隠す。優遇されたいなら、安倍の「友達(支援者)」になれ、と要求する。優遇されるのは、いっしょに寿司を食い、ゴルフをするほんの一握りの「友達(支援者)」に過ぎないのに、みんな「自分こそは友達」と目の色を変えている。総裁選で安倍に投票したって、「大臣」になれるのはごく一部。ほかの国会議員は「干される」。石破と少しも変わらないのに、そのことに気づいていない。
あ、脱線してしまったか。
ちょっと話を元にもどすと。
外国人に対して、労働力としてなら歓迎するが、家族同伴は国(地方自治体)の出費がかさむからだめというのは、よくよく考えると、こういうことにならないか。
いま、安倍は、「働き方改革」という名の元に女性を働かせようと躍起になっている。一方で、少子化対策のために、「子供を産め」とけしかけている。子供を産めないのは「生産性が低い」そうである。
しかし、働く女性が次々に妊娠し、出産する。出産休暇、育児休暇をとる。子どもが増えて学校を造らなければならない。教師も必要になる。コストがかかる。そうなったら、どういうのだろうか。
女性は、妊娠・出産にともなうデメリットが多い。女性を雇うな、ということにならないか。重要なポストに女性を登用するな、ということにならないか。実際、東京医大では、そういう理由で女性の合格率を操作していたのではないか。
日本人であっても差別されるのだ。女性は実際に差別されている。
外国人実習生の問題は、単に外国人実習生の問題ではなく、日本の労働システムの問題である。労組は外国人労働者と連携し、日本の労働システムそのものを変える運動をしないといけない。
いまは、そのチャンスである。
でも、連合なんて、「経営者予備軍」(自民党支持予備軍)に過ぎないから、自分の「権益」を守ることしかしない。
#安倍を許さない #憲法改正 #天皇退位
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「天皇の悲鳴」(1500円、送料込み)はオンデマンド出版です。
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