私の映画玉手箱(番外編)なんということは無い日常日記

なんということは無い日常の備忘録とあわせ、好きな映画、韓国ドラマ、そして
ソン・スンホンの事等を暢気に書いていく予定。

最後の言葉

2010-07-13 21:58:51 | なんということはない日常
つかこうへいさんの遺言が公表 今年1月に「通夜、葬儀、お別れの会等も一切遠慮させて頂きます」 - goo 映画

短い文章だけれど、どんな風に考えているのか、どんな人生を送って来た人だったのかが、ちゃんと伝わってくる。

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先日亡くなった母は、最期の言葉のようなものは特に残さなかったけれど、備忘録のようなメモを毎日つけていた。

今日、洗濯したもの。
今日、掃除した場所。
今日、出かけたところ。
そんなことを中心に、食事の内容や自分の体調のことを箇条書きにしてあった。

去年の秋の入院中には、ベットから見える景色のことを毎日書いていたり、検査の内容のことが書いたりしてあった。

事実の羅列が多く、自分の感情のことはあまり書いていないのだが、具合が悪くなった頃からちょっとずつ自分の体調に対する不安が書いてあり、読みながら、どうしてもっと優しくできなかったのだろうかと思う。

原発不明がんという病名を聞いた後も、自分で「がん」という言葉を一度も口にすることなく亡くなってしまったが、病名を告げられた日には「今日は最悪の結果を聞かされた」と短く書いてあった。
今年になってからは、どんどん体調が悪くなることに対する不安が短い言葉で記され、言葉の語尾が「○○をした」から「ゆみこに○○をしてもらった」「夫に○○をしてもらう」という記述ばかりになっていき、4月の中旬以降はもう何も書かれていなかった。
ペンを持つことも大儀になっていたのだろう。

「煮物はおいしくない」とか「キムチ鍋はおいしい」とか、ところどころに私が作った食事に対する批評あり。
そんな言葉が残っているだけでもうれしい。