編集者が自分の担当する作家の人気シリーズの第9作目を紹介するところから始まるミステリー。名探偵ポアロのように次々に難事件を解決する探偵シリーズはベストセラーでテレドラマ化も予定されていると、あたかも存在するシリーズ物のように語られる「アティカス・ピュント」シリーズ。学生時代に読んだアガサクリスティーを思い出させる古典的なストーリー展開に懐かしさを感じる前半、そしてもう少しで犯人発覚というところで、なんと話は大反転し、後半は編集者自身が事件の当事者になるという現代パートになるのだ。
クラシカルなマトリョーシカを開けたら、中からは真新しいかなりこじんまりしたマトリョーシカが出てきたという感じか・・・私は前半、クラシカルミステリー部分の「アティカス・ピュント」シリーズ部分が好みだったのだが、1冊の本でありながら2冊分楽しめるというマトリョーシカ方式がこの本の一番の特徴。作中作品と現代パートを読み比べ、マトリョーシカであることの醍醐味を感じるという事を放棄してはいけないのだろう。
追記:年末ミステリランキング全制覇!作品・・・
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