「みんな、ごめんね」
「じんたん、ちょっとたんまね」
*
うん、今回は素晴らしい。
めんまが皆の前に「存在」を示そうとする。
その存在が皆に理解されるかどうかは、次回を待たないとわからないのだけど、
でも、めんまは一つ意志を示した。
最高に印象的だったのは、「湯」の字の書いてあるのれんが、フワッと動いたところ。
めんまが入ってきたからのれんが動いているわけで、
本来なら、つまり、いつもの「じんたん」目線のフレームなら、
めんまの姿が「そこ」にあるはずなのだけど、
でも、そこには何もない。
ただ、フワッとのれんが、風に押されたように動いただけ。
ここで初めて、視聴者の側も、「めんまが見えない」普通の世界を体験する。
絶妙の演出だよね。
なぜなら、じんたんを除いた四人にも、のれんが動いたのは「わかる」。
それを見て、じんたんだけが、「めんま」と呼びかける。
これでは、周りの四人は引くしかない。
あれだけじんたんを心配しているあなるですら「やめろ」といい、
つるこも、さすがにじんたんを詰る。
もちろん、その前の(めんまによる無言)電話もあってのことだけど。
でも、そこでめんまが、
「じんたん、ちょっとたんまね」
といって、日記帳に彼女のメッセージを記すわけで。
たぶん、依然として四人にはめんまの姿は見えないのだろうけれど、
状況証拠からしてめんまは「いる」と確信するしかないことになる・・・のだろう。
というか、そうなると信じたい。
今まで、じんたん目線で、じんたんとともにめんまの様子を見てきていたから、
何も不思議に思っていなかったけど、
じんたんの外の視点から見たら、
単にじんたんが狂言を述べているに過ぎないわけで。
今回は、そのことが強烈に示されたというわけで。
救いだったのは、じんたんが狂人扱いされそうな状況でめんまが現れ、
日記帳を霊界通信ノートに変えてしまったところ。
それがなければ、じんたんの扱いが過酷になるはずだったので。
これは、逆に1クールのテンポでよかった。
もっとも、これで、全員が信じるわけではないかもしれないが。
ともあれ、めんまがバスターズのみんなに「存在を明かす」ことになって、
ようやく、5人+1霊で結束、という方向に向かいそう。
となると、次の焦点は、めんまの願いは何か、だよね。
で、ここまでの描写を見ると、やはり、何らかの形で
じんたんのお母さん、ならびに、彼女の死
が絡んで来るのだろう。
めんまが亡くなった「あの日」の招集は、じんたんには内緒で、だったわけだから、
それは、みんなで、じんたんと、じんたんのお母さんを励まそう、というものだったのだろう。
(これは、今回のお墓参りの描写とか、お父さんがおそらくは心労で禿げてしまったと思わせる描写からもわかる。また、今まで何度か、じんたんのお母さんのことを、めんまがフラッシュバックのようにビジョンをみているところからも)
それを行えなかったのが、めんまの心残り。だから成仏できない。
(「あの日」の朝、弟に対して、世界の平和を守りにいく、というようなことをいっていたことからすれば、
じんたんを元気づけることが世界を平和にすることに繋がると、めんまは思っていたのかもしれない)。
でも、その願いは、「じんたんを除いて」行おうと思っていたものだから、
今のところ、じんたんにしか「見えない」めんまからは、じんたんに向かっては言えない。
多分、その縛りが「願いを思い出せない」ことに繋がっている。
ということは、じんたん以外のバスターズと「交信」できることが大切。
その役割を担うのが、今の感じだと、あなるの役になるのだろうな。
ただ、これは辛い。
今回、あなるがじんたんに指摘しているように、
めんまの願いを叶えたら、めんまは消えてしまう。
それを分かっていながら、めんまの願いを叶える方向に向かう。
おそらく、この先も、じんたんを除いて、めんまの姿を見ることはないのだろう。
であれば、なおのこと、あなるは、
あなるには見えないめんまが消えてしまうことで受けるであろう、
じんたんの悲しみを、具体的に共有することはできない。
ただただ、じんたんの気持ちを慮って、「私にもわかる」というしかない。
切ないね。
ともあれ、この、めんまの願いとじんたんのお母さんの繋がりは最終話に向けた大きな物語の柱。
そして、そのお母さん繋がりで行くと、めんまのお母さん=イレーヌをバスターズの面々がどう救うかが、もうひとつの見所で。
多分、こちら側で活躍するのがゆきあつなんだろうな。
めんまを失ったことが大きな心の空白になっているという点では、多分、イレーヌもゆきあつも同じだから。
そのことを視聴する側が理解できるために、例の(めんまになりきる)女装事件の描写があったのだろう。
さらにいえば、イレーヌがつるこの手を強く握りながら、バスターズに恨み節を述べる時のイレーヌの形相を見ることが出来る場所にいたのもゆきあつだったし。
だから、この先は、
あなるがじんたんをケアし、ゆきあつがイレーヌをケアする、
その二つの軸が鍵になるのだろう。
で、最終的には、めんまがじんたんを思って叶えようとする「願い」の向かう先を、イレーヌの方にも向かわせようとするのが、じんたんの役割、ということになるのだと思う。
だから、ここから先は逆に、皆がじんたんに対して「嘘を付く」や「情報を全部伝えない」というような、もどかしさの描写が増えていくように思う。
・・・ということで、『あの花』、このまま突っ走って欲しい。
大林宣彦や岩井俊二の作品を彷彿とさせる物語・構成・演出だけど、もうそれでもいいから、むしろ、アニメでもそういうのはガンガンやれるんだというのを示して欲しい。
残り3話?4話?に、激しく期待。
「じんたん、ちょっとたんまね」
*
うん、今回は素晴らしい。
めんまが皆の前に「存在」を示そうとする。
その存在が皆に理解されるかどうかは、次回を待たないとわからないのだけど、
でも、めんまは一つ意志を示した。
最高に印象的だったのは、「湯」の字の書いてあるのれんが、フワッと動いたところ。
めんまが入ってきたからのれんが動いているわけで、
本来なら、つまり、いつもの「じんたん」目線のフレームなら、
めんまの姿が「そこ」にあるはずなのだけど、
でも、そこには何もない。
ただ、フワッとのれんが、風に押されたように動いただけ。
ここで初めて、視聴者の側も、「めんまが見えない」普通の世界を体験する。
絶妙の演出だよね。
なぜなら、じんたんを除いた四人にも、のれんが動いたのは「わかる」。
それを見て、じんたんだけが、「めんま」と呼びかける。
これでは、周りの四人は引くしかない。
あれだけじんたんを心配しているあなるですら「やめろ」といい、
つるこも、さすがにじんたんを詰る。
もちろん、その前の(めんまによる無言)電話もあってのことだけど。
でも、そこでめんまが、
「じんたん、ちょっとたんまね」
といって、日記帳に彼女のメッセージを記すわけで。
たぶん、依然として四人にはめんまの姿は見えないのだろうけれど、
状況証拠からしてめんまは「いる」と確信するしかないことになる・・・のだろう。
というか、そうなると信じたい。
今まで、じんたん目線で、じんたんとともにめんまの様子を見てきていたから、
何も不思議に思っていなかったけど、
じんたんの外の視点から見たら、
単にじんたんが狂言を述べているに過ぎないわけで。
今回は、そのことが強烈に示されたというわけで。
救いだったのは、じんたんが狂人扱いされそうな状況でめんまが現れ、
日記帳を霊界通信ノートに変えてしまったところ。
それがなければ、じんたんの扱いが過酷になるはずだったので。
これは、逆に1クールのテンポでよかった。
もっとも、これで、全員が信じるわけではないかもしれないが。
ともあれ、めんまがバスターズのみんなに「存在を明かす」ことになって、
ようやく、5人+1霊で結束、という方向に向かいそう。
となると、次の焦点は、めんまの願いは何か、だよね。
で、ここまでの描写を見ると、やはり、何らかの形で
じんたんのお母さん、ならびに、彼女の死
が絡んで来るのだろう。
めんまが亡くなった「あの日」の招集は、じんたんには内緒で、だったわけだから、
それは、みんなで、じんたんと、じんたんのお母さんを励まそう、というものだったのだろう。
(これは、今回のお墓参りの描写とか、お父さんがおそらくは心労で禿げてしまったと思わせる描写からもわかる。また、今まで何度か、じんたんのお母さんのことを、めんまがフラッシュバックのようにビジョンをみているところからも)
それを行えなかったのが、めんまの心残り。だから成仏できない。
(「あの日」の朝、弟に対して、世界の平和を守りにいく、というようなことをいっていたことからすれば、
じんたんを元気づけることが世界を平和にすることに繋がると、めんまは思っていたのかもしれない)。
でも、その願いは、「じんたんを除いて」行おうと思っていたものだから、
今のところ、じんたんにしか「見えない」めんまからは、じんたんに向かっては言えない。
多分、その縛りが「願いを思い出せない」ことに繋がっている。
ということは、じんたん以外のバスターズと「交信」できることが大切。
その役割を担うのが、今の感じだと、あなるの役になるのだろうな。
ただ、これは辛い。
今回、あなるがじんたんに指摘しているように、
めんまの願いを叶えたら、めんまは消えてしまう。
それを分かっていながら、めんまの願いを叶える方向に向かう。
おそらく、この先も、じんたんを除いて、めんまの姿を見ることはないのだろう。
であれば、なおのこと、あなるは、
あなるには見えないめんまが消えてしまうことで受けるであろう、
じんたんの悲しみを、具体的に共有することはできない。
ただただ、じんたんの気持ちを慮って、「私にもわかる」というしかない。
切ないね。
ともあれ、この、めんまの願いとじんたんのお母さんの繋がりは最終話に向けた大きな物語の柱。
そして、そのお母さん繋がりで行くと、めんまのお母さん=イレーヌをバスターズの面々がどう救うかが、もうひとつの見所で。
多分、こちら側で活躍するのがゆきあつなんだろうな。
めんまを失ったことが大きな心の空白になっているという点では、多分、イレーヌもゆきあつも同じだから。
そのことを視聴する側が理解できるために、例の(めんまになりきる)女装事件の描写があったのだろう。
さらにいえば、イレーヌがつるこの手を強く握りながら、バスターズに恨み節を述べる時のイレーヌの形相を見ることが出来る場所にいたのもゆきあつだったし。
だから、この先は、
あなるがじんたんをケアし、ゆきあつがイレーヌをケアする、
その二つの軸が鍵になるのだろう。
で、最終的には、めんまがじんたんを思って叶えようとする「願い」の向かう先を、イレーヌの方にも向かわせようとするのが、じんたんの役割、ということになるのだと思う。
だから、ここから先は逆に、皆がじんたんに対して「嘘を付く」や「情報を全部伝えない」というような、もどかしさの描写が増えていくように思う。
・・・ということで、『あの花』、このまま突っ走って欲しい。
大林宣彦や岩井俊二の作品を彷彿とさせる物語・構成・演出だけど、もうそれでもいいから、むしろ、アニメでもそういうのはガンガンやれるんだというのを示して欲しい。
残り3話?4話?に、激しく期待。