テンポの良い展開が続いていて、思っていた以上に良い感じ。
思い返すと、『神のみ』って全然知らなくて、第一期を見ていた最中に確か連載の方を見るようになった。で、その時には既に女神編に突入していて、全く話がチンプンカンプンだったことを思い出した。
もっとも、連載を追っかけていくうちに、どうやらかつて攻略した相手を再度攻略しなければならなくなったこと、その背後に地獄の世界のもろもろの動きが関わっていること、そのため、女神だけでなく新悪魔も危険にさらされていること、そして、カノンの代役になったエルシーに代わってハクアが桂馬のバディになっていたこと、・・・、といったことがだんだんわかってきたのだけど。
そして、そういう輪郭が大体わかった時点で、これは、ああ、随分と物語的に面白いことを試みてるなー、と感じていた。
再攻略というのは、ゲームで言えば、いわゆる二周目、三周目の世界に行くようなもの。以前と同じ登場人物たちの間で、再度物語をやり直す。
で、『神のみ』の場合、面白いな、と思ったのは、女神編以前のストーリーでは桂馬が単純に相手の女子を攻略するだけの話だったのが、女神編になって、周りのキャラたちが勝手に動き回ることで、ある種の群像劇になっていったところ。
既に攻略済みの女子たちは、彼女たちのバックグランドも既に紹介されているし、もちろん、作中で彼女らが経験したことも読者として既に知っている。要するに、読者からすると、彼女たちの考えや心理が想像しやすい。
そして、もともとこの物語はゲームをリアルに当てはめる、という意味では、最初からゲーム的である。攻略に当たって、あれこれと選択肢を熟考する。
何が言いたいかというと、女神編は、それまでの『神のみ』の、もの凄く質の高いセルフパロディに思えたのだった。いや、実際、女神編は、途中、ちょっと展開がもたもたしたようには思うものの、総じて、ゲーム的で、ラブコメ的で、冒険的で、SF的で、・・・、といった具合に、かなり、バランスの良い、各種ジャンルの混ぜあわせになっていて、面白かった。
極めつけは、最後の、ちひろと歩美を巡る部分で、あの二人を最後まで残したのは秀逸だったし、最後に、復活したかのんを含めて、学園祭ライブで締めた終幕は素晴らしかった。
・・・ということなので、実は、女神編、結構楽しみにしていたのだった。
そして、実際に始まると、二期までの展開が嘘のように、さくさくと物語が進んでいって、さらに素晴らしい!と感じている。
いや、初見の人を置いてきぼりにしている、という声があるのもわかるけれど、でも、今時、それまでのストーリーがわからないようなら、ググってストーリーの補完をすればいいし、そもそも、これは原作があるわけだから、気になるのならそこから入ればいいわけで。
そうしたメディアミックスが、視聴者や読者にとっても当たり前の環境であることをようやく正面から受け止めて、クライマックスとなる見せ場を中心にシリーズ構成をするようになってくれて、素直に嬉しい。実際、この感じであれば、女神編、かなりの密度とスピードで駆け抜けることができるように思っている。
たとえば、この女神編のスピード感で、『禁書目録』なら、いきなり第三次世界大戦のところから始まるシリーズを開始してもいいと思うし、なんだったら、もう旧約は全部すっ飛ばして、いきなり新約の『禁書目録』をアニメ化してもいいのではないかな、と思う。
そういう、是非このシーンを!、という期待に、今回の『神のみ』はストレートに応えている。そこが素晴らしいところ。
第1話の最後のかのんの告白の場面なんて、ホント、よく1話でここまで一気に詰め込んだよね、と思うくらい、突き抜けた素晴らしさだったと思う。
そう、女神編は、桂馬が後手に回る場面が多く、その分、彼の本意という心理描写も多くなるわけで、そこがゲーマーにとってはリアリティの高い出来事になる。
いやー、このままギアをハイに入れたまま爆走していってほしいところ。
というか、ハクアに続いてノーラが登場するのもいいよね。
まぁ、ハクアの登場機会が増えること自体、面白いと思うわけだがw
ということで、早くも次回に期待w